11月3日(日) 6:00
日本では、道路交通法で一般道・高速道路ともに左側通行と定められているため、逆走は道路交通法違反です。なお、道路交通法違反では、9000円の反則金と違反点数2点、または3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金の罰則が科される恐れがあります。
さらに交通事故を起こすと、損害賠償責金の支払いが必要です。通常の事故とは異なり、逆走事故の場合は逆走した側に100%の過失があるとみなされることが多く、多額の損害賠償金を支払うことになる恐れがあるでしょう。
国土交通省の「第7回 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会 配付資料」によると、2011年から2023年の逆走事案の発生件数は、約150件であった年もあるものの、全体的には約200〜250件の間で推移しています。
また逆走事故の発生件数も同様に約30〜50件の間を推移しています。ニュースでよく取りあげられているため、近年急増しているように感じますが、実際は以前からある珍しくない事故といえるでしょう。
高速道路を逆走する理由として、次のことが考えられます。
出口を過ぎてしまったら、遠回りにはなりますが、次の出口で一度出てから折り返さなければなりません。しかし、慌ててバックしたり本線やインターチェンジ(IC)でUターンしたりすることで事故が発生します。
複雑なJCTでは、進行方向を誤ったり、進んだ先で本来の進行方向ではないほうに進んだりしてしまうことで逆走する例もあります。
本線に戻る案内表示を見間違え、進行方向ではなく逆方向の出口に向かった結果、衝突事故を起こしてしまう可能性があります。
料金所で進行方向を見誤り、出口専用の道路に侵入することによって事故を起こしてしまいます。
もし自分が高速道路を運転していたときに、逆走車と遭遇してしまったらどのように対処すべきなのでしょうか。
110番もしくは♯9910(道路緊急ダイヤル)へ通報します。ただし、通報は同乗者が行うか、同乗者がいない場合、安全を確認して路肩に停車してから電話をかけましょう。
逆走車がいるというお知らせを見聞きしたら、前後左右の安全を確認しながら、速度を落としましょう。
前方に逆走車を発見した場合には、周辺の安全を確認しながら路肩などに停車して、衝突事故にならないよう対処しましょう。
自分自身が高速道路を走行中に中央分離帯が左にあったり、標識が裏側になっていたりした場合には、逆走している可能性があります。
何らかの理由で逆走してしまったら、周囲を確認しながら側道などの安全な場所に停車しましょう。停車したらハザードランプを点灯させ、周囲にも停車していることを知らせます。
走行車が停車している車があることに気付かず衝突してくる恐れがあるため、車内に留まらず、ガードレールの外側に退避しましょう。くれぐれも車道側には出ないでください。そして、安全な場所に退避できたら、110番に電話するか非常電話で通報します。
逆走の理由には「出口や分岐を間違えてしまった」というものがあります。出口を見落として慌ててしまうと、冷静さを失って思いもよらない行動を取ってしまう恐れもありますが、運転する際には常に冷静でいることが重要です。
出口を間違えても、通行料金については処置があるため安心してください。次の出口まで行き、出口を間違えてしまったことを伝えると、「特別転回」という制度が利用でき、追加料金なしで目的のICに戻れます。
死亡事故にもつながる重大な事故を起こさないために、逆走車を見かけたり自分が逆走してしまったりした際は、安全を確保しながら冷静に対処しましょう。
国土交通省第7回 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会 配付資料資料2高速道路の逆走発生状況について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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