『永遠の0』(13)や『ゴジラ-1.0』(23)の監督として知られる山崎貴の監督デビュー25周年を記念して、デビュー作『ジュブナイル』(00)とデビュー2作目の『リターナー』(02)が4Kデジタルリマスターでの復元を経て、11月22日(金)から期間限定公開されることが発表された。
【写真を見る】山崎貴の監督デビュー作『ジュブナイル』には香取慎吾、酒井美紀、鈴木杏らが出演
2023年11月3日に、山崎が監督、脚本、VFXを務めた日本製作の実写版ゴジラ30作目となる『ゴジラ-1.0』が公開され、日本での大ヒットはもちろんのこと世界各地でも公開、大ヒットを記録。特に北米では、これまで劇場公開された邦画実写映画の興行収入記録を大幅に塗り替えて歴代1位を記録したほか、ゴジラ生誕から70周年を迎えた今年には第96回アカデミー賞でアジア映画初となる視覚効果賞を受賞した。
視覚効果賞の受賞で喝采を浴びた山崎の監督デビュー25周年を記念して、デビュー作『ジュブナイル』が11月22日、デビュー2作目の『リターナー』が11月29日(金)から、期間限定公開されることが決定。劇場公開から20年以上の時を経て、山崎のVFXの原点でもある2作品が白組とROBOT、そしてImagica EMSによる最新4Kデジタルリマスター技術で完全復元された。
今回の4Kデジタルリマスター制作に初期段階から関わり、完成した本編をスクリーンで観た山崎は「4Kリマスターはまるでつい最近撮影したかのようにあの時間を蘇らせてくれました。二つともタイムトラベルが中心に居る話ですが、映画自体がタイムマシンのように僕を20数年前に連れて行ってくれました」とその完成度の高さに興奮。また両作品に出演している鈴木杏からも「蘇った『ジュブナイル』『リターナー』。すっかり見入ってしまいました。面白いし、エモいし、大変!」と喜びのコメントを寄せている。
SF映画界に新風を巻き起こした少年たちと未知のロボット“テトラ”との交流を描いたファンタジー映画『ジュブナイル』、そしてスピーディーなガンアクションとワイヤーワーク、随所に見られるVFXシーンが日本映画のイメージを一新させる映像世界を実現したSFアクション映画『リターナー』。今もなお語り継がれるこの2作品は、20年以上経っても色あせることなく、VFXによって作りだされた世界観は観る者すべての心を掴み続けている。
近年、映画界で一大トレンドとなっているのが4Kデジタルリマスター作品の上映で、従来の2K(HD)の面積比にして4倍もの解像度を持つ4K技術により映像の細部まで鮮明に再現される。この高解像度技術は注目を集め、映画体験を一新していて『ブレードランナー ファイナル・カット』(07)『2001年宇宙の旅』(68)『七人の侍』(54)『AKIRA』(88)といった過去の名作が次々と4Kデジタルリマスター上映されていた。
4Kデジタルリマスターで蘇った山崎の監督初期作を、ぜひ大スクリーンで堪能してほしい!
■<コメント>
●山崎貴(監督、脚本、VFX)
「久しぶりにジュブナイルとリターナーを観ました。4Kリマスターはまるでつい最近撮影したかのようにあの時間を蘇らせてくれました。二つともタイムトラベルが中心に居る話ですが、映画自体がタイムマシンのように僕を20数年前に連れて行ってくれました。みんな若くて、画像が生々しくて、なんだかそのまま映画の中に引きずり込まれそうな、引きずり込まれたいような甘い郷愁が押さえようもなく胸の内に立ち上ってきて、ちょっと泣いてしまいそうになりました。ずっと映画を作ってきましたが、最初の二本に内包された若さやせつなさはもうはっきりと手に入らないんだなと感じました。色々足りないところもある映画ですが、久しぶりに劇場に足を運んでもらえると嬉しいです」
●鈴木杏(『ジュブナイル』『リターナー』出演)
「蘇った『ジュブナイル』『リターナー』。すっかり見入ってしまいました。面白いし、エモいし、大変!あれ?『ジュブナイル』の時、山崎監督はいくつだったんだっけ?と計算してみたら、いまの私とほぼ同い年。改めて尊敬。その才能と努力で次々と夢を叶えてきた山崎監督の今後の作品がますます楽しみです!4Kデジタルリマスターの凄さ、正直いままであんまりよくわかっていなかったけれど(ごめんなさい)自分がリマスターされる当事者になって、ああ、過去といま、そして未来までもを繋げてくれるのだな、とその奥深さに感動しています」
文/スズキヒロシ
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