前回からの続き。私はユウカ。サトミの母です。あれはもう30年近く前のこと。当時の私は気が弱く、義母は「従わなければならない存在」でした。意見なんてできないし、邪険にもできません。今ならば「絶縁」という道をとっていたかもしれませんが、当時はそんなことも考えられなかったのです。産後すぐにわが家に連絡なしで訪問、長時間滞在、おもてなしをしないといけなかったときも、召使いのように扱われていたときも、私は従うしかありませんでした。主人に愚痴も言わなかったと思います。
義母は「普段洗髪は美容室でやってもらっている」と言っていて、美容室が休みの週に2回は、私に髪の毛の手入れをさせにくるのです。
今だったら「忙しいのでご自分でやってください」と言えるかもしれませんが、当時は義母に逆らうなんて恐ろしいことはできませんでした。どんなに理不尽なことを言われたとしても、私だけが我慢すればいいと思っていたのです。
突然家に訪問してくる義母の機嫌を損ねないようにしようとするあまり、当時3歳のサトミにはムリをさせてしまっていたと思います。本当ならゆっくりビデオを見せてあげたいし、大好きなお菓子だって食べさせてあげたいのに……。
自由気ままに振る舞う義母の相手をしていたとき、親戚からおままごとセットが届きました。目をキラキラさせながらワクワクしているサトミ。さっそく開けようと思ったのですが……。
義母は、長男一家と同居しています。けれど長男嫁とは気が合わないようで、私に愚痴を言いにくるのです。産後すぐのころからわが家に入り浸り、上げ膳据え膳の状態。私がどんなに眠くても、部屋を綺麗にして義母をもてなさなければいけないし、サトミが寝ていてもインターホンをお構いなく鳴らしてくるし……。どうして義母のためにあそこまで頑張れたのかわかりません。ずっと同じ状況が続いて、心がマヒしてしまっていたのでしょうか。
【第3話】へ続く。
原案・編集部脚本・物江窓香作画・Ponko編集・海田あと
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