11月3日(日) 6:00
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023-労働統計加工指標集-」が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を加工して作成したデータによると、大学卒業で定年(60歳)まで働いた場合の男性の生涯賃金(カッコ内は退職金)は企業規模別に以下の通りです。
・企業規模計:2億4740万円(1890万円)
・1000人以上:2億8750万円(2130万円)
・100~999人:2億3460万円(1670万円)
・10~99人:1億9850万円(1370万円)
同調査から、従業員数1000人以上の大手企業に就職した場合の生涯賃金は、中小企業など従業員数1000人未満の場合と比較して、5290~8900万円多いことが分かります。
多くのベンチャー企業が中小規模であることを考えると、大手企業へ就職した方が生涯年収の面では有利になる可能性があるでしょう。
企業ごとに違いがあるため一概にはいえませんが、「大手」と「ベンチャー」に大きく分けて比較した場合、ベンチャー企業には以下のような魅力がある点も知っておくといいでしょう。
・実力が評価されやすい
年功序列やキャリアによって昇進・報酬が決定される傾向にある大手と比較して、ベンチャー企業は実力が評価されやすいといわれています。
就職したばかりでも、アイデアや提案が認められて重要な仕事を任される可能性もあるでしょう。実力や貢献度次第では、会社の成長に比例して昇進・年収アップにつながるかもしれません。
・ベンチャーならではのやりがいがある
限られた人員でプロジェクトを進めていくため、一人ひとりの業務の幅が広がり、さまざまな知識やスキルを身に付けられる可能性もあります。経営者との距離が近く、自分の提案に耳を傾けて素早く実行される経験ができるなど、ベンチャーならではのやりがいを感じられるでしょう。
・福利厚生が充実している場合がある
社員のニーズに合わせてユニークな福利厚生を用意しているベンチャー企業もあるようです。例えばリモートワーク・フレックスタイム制を積極的に採用していたり、アニバーサリー休暇・サバティカル休暇など社員がリフレッシュできる休暇を付与していたりする場合もあります。
従業員数が1000人以上とそれ未満の企業を比較したところ、生涯年収には5290~8900万円の違いがあることが分かりました。一般的に考えると、大手企業に就職した方が、少数精鋭のベンチャー企業よりも生涯年収が多くなる可能性が高いかもしれません。
しかしベンチャー企業には実力が評価されやすい特徴があり、実力や貢献度次第では就職したばかりでも高く評価されて、昇進や年収アップのスピードがあがる可能性も考えられます。
また幅広い業務に携わって知識やスキルを身に付けられるなど、やりがいを感じながら働けることも魅力的です。充実した福利厚生を用意している企業もあり、働きやすさの点でもメリットを感じられるかもしれません。
企業規模別の生涯年収を参考にしながらも、会社ごとに異なる魅力がありますから、自身の目標や価値観に合わせて就職先を決定するといいでしょう。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2023-労働統計加工指標集-(309ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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