11月3日(日) 5:40
まずは、太陽光パネルを設置しているにもかかわらず、電気代が高くなった場合に考えられる理由についてご紹介します。
太陽光パネルを設置していても、実際に電気代をゼロにするのは難しいようです。太陽光発電の発電量は、季節や天候・時間帯に左右されるうえに、蓄電池を設置していない場合は電気を蓄えておけないためです。
太陽光パネルによる発電で賄えない分の電力は、一般的な家庭と同様に、電力会社から購入する必要があります。近年は、エネルギー資源の価格上昇によって燃料費調整額の高騰や、国内の電力供給力不足により、電気料金の値上げが続いています。
太陽光パネルを設置しているにもかかわらず電気代が上がった理由として、これらが影響しているかもしれません。
電気代の請求額が急激に上がったときは、太陽光パネルの発電量が低下している可能性があります。
発電量が低下する原因としては、ちりやほこり・鳥のふんなどの汚れによりパネルに太陽光が当たらなくなってしまうことや、気温の上昇によりパネルの発電効率が悪くなることが挙げられます。また、システム自体が劣化すると、発電量が低下するケースもあるようです。
太陽光パネルの利用により家庭で使用する量以上に発電できたときは、余った電力を電力会社に売ることで利益を得られます。経済産業省 資源エネルギー庁発表のデータによると、2024年度における、1キロワットアワーあたりの売電価格は以下の通りです。
・50キロワット以上(地上設置)(入札制度対象外):9.2円
・10キロワット以上50キロワット未満:10円
・50キロワット以上(屋根設置):12円
・10キロワット以上50キロワット未満(屋根設置):12円
・10キロワット未満:16円
また、10年間固定価格で買い取ってもらえる「余剰電力買取制度」の適用を受けていたが、買取期間が満了し、電力会社に自由契約で余剰電力を売る方もいるでしょう。その場合は、売電価格低下の影響を受けて、電気代が上昇することも考えられます。
上記の理由により電気代が高くなったとしても、太陽光パネルを設置するメリットが全くないとは言い切れません。メリットを得るためには、対策を行う必要があります。
例えば、電力会社から購入している分の電力によって電気代が高くなるようであれば、電気料金プランを見直す方法があります。また、パネルの汚れや劣化が原因で発電量が低下していることも考えられるため、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。
太陽光パネルを設置しているにもかかわらず、電気代が前年より大幅に高くなったことが原因で「太陽光パネルをつけているメリットはないのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、メリットがまったくないとは言い切れないようです。まずは、電気代が高くなった原因を確認し、対策を検討しましょう。例えば、電力会社から購入している分の電気代が高くなっているようであれば、電気料金プランの見直しを検討するといいかもしれません。
また、パネルの汚れや劣化により発電量が低下していると考えられる場合は、早めにメンテナンスすることをおすすめします。
経済産業省 資源エネルギー庁 なっとく! 再生可能エネルギーFIT・FIP制度 買取価格・期間等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
■関連記事
結局「オール電化」と「電気ガス併用」はどちらがお得?料金とメリット・デメリットを解説