私は夫と高校2年生の息子・カイトと3人で暮らしています。カイトは子どもの頃からピアノを習っていました。中学で辞めてしまいましたが、なかなかの腕前です。そして学校行事の合唱コンクールで、カイトはピアノの伴奏をすることになりました。誰もやりたがらないので仕方なく引き受けたそうですが、きっと本番はクラス全員で全力を出し切ったことでしょう。そして夕方になり、カイトからは「今日、夕飯いらないから」という連絡が来ました。
クラスで頑張った合唱コンクールの後だから、きっとみんなで打ち上げにでも行くのでしょう。「あらかじめ言ってくれてたら、出かけるときにお金渡したのに……」なんて思いながら、私は軽く「了解」とスタンプを返しました。
夫と2人で夕飯を食べていると、クラスの保護者LINEが入りました。2年生になって最初の保護者会で、PTA役員の三井さんが声をかけて作ったものです。最初だけ少しやりとりがあったものの、その後は動いていなかったのですが……。
私はカイトが毎日ピアノの伴奏を練習している姿を見て、どうかうまくいきますようにと願っていました。できれば本番も見に行きたかったのですが、カイトに「親が来てる人なんていない」と断られたので仕方なくあきらめたのです。
そして当日の夜、私は夫と夕飯を食べながら「今頃カイトはクラスのみんなと盛り上がっているのだろう」と思っていました。三井さんから送られてきた写真はざっと30枚はあったでしょうか。しかしすべてに目を通したものの、カイトの姿はどこにもなかったのです。楽しそうに笑うクラスメイトの中に自分の息子がいない現実は、私にとってなかなか辛いものでした。
【第2話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・渡辺多絵作画・りますけ編集・井伊テレ子
【関連記事】
<ハブられる理由は?>不安からソッコー連絡!息子の返信「ラーメン屋にいる」なぜ?【第2話まんが】
<SNSで公開処刑>彼女にフラれた息子!クラスメイトの悪ふざけに……イジメだよね?【前編まんが】
<母親やめてもいいですか?>学校へ行けなくなった息子。いじめ?先生も一緒に……?【第1話まんが】