11月2日(土) 10:10
騒音の種類は固体音と空気音の2つに分かれ、両者の違いは音の伝わり方や伝わる範囲などにあります。つまり、騒音によって原因や音が聞こえる過程が異なるため、それぞれに適した対策でなければ防音効果は薄くなるでしょう。
固体音とは床や壁、天井などのような固体物を通して響く音のことを指します。固体音の代表的な例は以下の通りです。
・上階などからの歩行音
・ドアの開閉音
・家具などを引く音
・排水管を通る水の音
固体音は建物、つまり構造体を伝って聞こえる音のため、音が広がる範囲が大きいという特徴があります。そのため、音の発生源が隣人や上下階ではない場合もあり、数部屋離れていても聞こえることもあります。
遮音が難しいことでも知られており、防音材などで対策をしても、完全には防げないケースも多いです。固体音に対し、空気音とは空気が振動することで聞こえる音のことです。空気音の代表的な例は以下の通りです。
・話し声
・ペットの鳴き声
・テレビの音
・楽器の音
「隣の部屋からのスピーカーの音漏れ」は空気音に該当します。空気音は遮音材と吸音材を併用し、空気の通り道を遮断することで、一定の遮音性を確保できます。音域などの状況次第ですが、固体音よりは対策しやすいでしょう。
防音対策には多種多様な方法がありますが、中でも実践しやすいものを以下にまとめました。
・家具を壁から少し離して置く
・遮音シートやパネル、吸音材を壁に付ける
・ベッドの位置を変える
本棚や収納棚のような、背の高い家具を隣室に面する壁に配置すると簡易的な防音壁になり、防音効果が期待できます。配置する際には壁から少し離し、空気層を作ることがポイントです。すでに適した家具があれば、費用をかけずに防音対策を行えます。
隣人からの音漏れで眠れない場合、ベッドの位置を見直すことも考えましょう。隣室との壁にベッドが接していると、音漏れなどの騒音が耳に入りやすくなるからです。
基本的に、防音は吸音と遮音を組み合わせることで成り立ちます。全く効果がないわけではありませんが、遮音シートや吸音材は、どちらか一方だけでは高い防音効果は望めません。導入する場合はセットで用意しましょう。
遮音シートや吸音材の価格はピンキリで、素材などにより大きく異なります。例えば、防音商品の開発や販売を専門に行う会社では、10m巻の遮音シートが7000円、500mm×500mmの吸音材が2枚組6000円で販売されています。一定の面積をカバーする必要がある以上、少なくない額の出費が予想されるでしょう。
特に遮音シートはホームセンターでもさまざまな商品が展開されており、前述した価格より安価なものもあります。商品の選び方次第で費用を抑えることも可能ですが、ある程度の出費は避けられません。
遮音シートや吸音材の価格と防音性が必ずしも比例するわけではありませんが、価格が高い商品の方がより良い防音性を期待できるといえるでしょう。防音性は素材などに左右される以上、質の高い素材や商品は高額になりやすいからです。
隣の部屋からの音漏れ対策にはさまざまな方法がありますが、高い効果を期待できるのは遮音シートや吸音材を使用した防音対策でしょう。商品の価格には幅があるものの、ある程度の出費が予想されます。見積もりをするなどして、必要な金額をある程度想定してから行動に移すとよいでしょう。
株式会社ピアリング遮音シート サンダムCZ-12
株式会社ピアリングポリエステル吸音材 ポリリーフ
株式会社ナフコTAIHO 遮音シート 1.2mm×940mm×10m巻
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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