11月2日(土) 2:20
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、人事事務と総務事務はいずれも「庶務・人事事務員」に該当します。令和5年の調査結果にて「庶務・人事事務員」の年収を企業規模別にみた場合、表1のようになります。
表1
区分 | 年収 |
---|---|
企業規模計(10人以上) | 493万3800円 |
1000人以上 | 572万7700円 |
100~999人 | 477万2900円 |
10~99人 | 414万9500円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
企業規模によって平均年収に差はありますが、400万~500万円台の人が多いと考えてよいでしょう。
人事部と総務部の業務内容について、厚生労働省 職業情報提供サイトjobtagの「人事事務」「総務事務」を基に、それぞれ詳しく解説します。
人事部は、従業員の人事管理にかかわる業務を行う部署で、具体的には、採用や配置・異動・昇進・退職などの事務手続きがおもな仕事になります。また、勤務状況の管理も行うため、労働時間や休暇日数、有給休暇の取得状況を把握するのも業務の一つです。さらに、タイムカードなどと照らし合わせて、給与支払額の算出や確認も行います。
一方、総務部では、文書の整理や保管・社内外からの問い合わせ対応・社内規定の作成など、幅広い業務を担当します。防災訓練や社員旅行の手配・イベントの企画などが、業務範囲に入る場合もあるようです。また、勤務表のチェックや出張の手配などを行うこともあります。
「人事部は出世コース」といわれることがあるようです。
理由としては、「採用を任される」部署であるためです。採用活動では企業の顔として、人材の見極めを行うため、安心して任せられる人のみが「人事担当者」となります。
また人事部は、上層部とのやり取りも多い傾向にあります。そのため、上層部の目にとまる機会が多くなります。これも、人事部が出世コースにつながりやすいといわれる理由の一つでしょう。
コミュニケーション能力を向上させるため、また人材育成へのかかわりを増やすために、出世させたい社員に人事業務を積ませる企業もあるようです。
人事の経験を積むことで、想像力や実行力が身につき、マネジメントスキルも習得できます。人事部は、出世コースに乗りたい人にとって、多くのメリットを得られる部署といえそうです。
人事部と総務部はひと括りにされやすい部署ですが、業務内容には異なる点もあるようです。例えば、人事部は採用を任されたり給与の算出を行ったりしますが、総務部はおもに文書の整理や保管・社内外からの問い合わせ対応を行います。
人事部と総務部で年収に大きな差はないようですが、人事部は採用活動を担うこともあるため「出世コース」とも呼ばれます。
また、人事の経験を積むことで、企画構想力が身につき、コミュニケーション能力も磨かれるでしょう。人事部に配属された際には、将来のキャリアも見据えて、どのように働くか考えることが重要です。
総務省統計局政府統計の総合窓口e-Stat 厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査 表番号1
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag
人事事務
総務事務
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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