「ルックバック」押山清高監督、河合優実&吉田美月喜の起用理由は「想像を超えた声や芝居」【第37回東京国際映画祭】

「ルックバック」押山清高監督、河合優実&吉田美月喜の起用理由は「想像を超えた声や芝居」【第37回東京国際映画祭】

11月2日(土) 14:56

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第37回東京国際映画祭のアニメーション部門で11月2日、藤本タツキ原作の劇場アニメ「ルックバック」が上映され、声優を務めた河合優実と吉田美月喜、押山清高監督が東京・角川シネマ有楽町での舞台挨拶に登壇した。

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本作は、「ファイアパンチ」「チェンソーマン」で知られる漫画家・藤本氏の読み切り作品が原作。ひたむきに漫画を作り続ける藤野と京本という2人の少女の姿をみずみずしく描きながらも、やがて起きる“すべてを打ち砕く衝撃的な出来事”を強烈なリアル感を持った筆致で描き出し、著名なクリエイターたちをはじめ、多くの漫画ファンの注目を集めた。11月8日からPrime Videoで世界独占配信がスタートする。

藤野役の河合、京本役の吉田は、ともに本作が声優初挑戦だった。押山監督は2人を起用した理由を「声のイメージはぼんやりとは想像しながら監督していましたが、頭のなかで鮮明に声が流れていたりはしなかった。2人はオーディションで選びましたが、実際にオーディションで声を聞いて、ぴったり合いそうだなとか、イメージとすり合わせて近いもの、いい意味で自分の想像を超えてきた声や芝居のなかから選びました」と説明し、「おふたりとも、僕の想像以上の声だと感じた」と振り返る。そして、それぞれの魅力を力説した。

「河合さんはテープの最初の一言で『この子すごくいいな』と思った。藤野のふてくされた感じがすごく愛らしくて、声質も含めて演技が藤野の存在感に満ちていていいなと思いました」

「吉田さんはですね、テープオーディションですごく自信なさそうにしゃべっていたのを覚えています。本人はどうかわかりませんが、その声を聞いた感じだと、すごく不器用そうな感じに聞こえて、それが京本の引きこもっているキャラクターにぴったりだと思って選びました」

さらに押山監督は「他では話していないことを思い出したの言いますが」と続け、「ふたり(藤野と京本)が田んぼの中でケンカするじゃないですか。その場面の掛け合いを、実際にキャストふたりをスタジオに呼んでやってもらったら、藤野と京本の感じがぴったりだった」とも明かした。

2024年6月28日に劇場公開された本作は、当初全国約120館という中規模スタートだったにもかかわらず2週連続興行収入第1位を記録。公開館数も増え続け、公開15週目には観客動員117万人、興行収入20億円を突破した。7月31日から全世界での上映がスタートすると、世界20以上の国と地域で公開され、日本以外の世界累計興収が約18.5億円(10月31日時点/1ドル=152円換算)を突破した。10月26日からは中国大陸地域での劇場公開もスタートした。

この日は、映画のヒットを祝して押山監督に花束が贈られた。代表して花束を渡した河合は、「大ヒットおめでとうございます。声優として参加させていただくことになった時に、初めていただいバージョンのアニメから本当に素晴らしいアニメーションだなと感動していましたし、大きな大きなモチベーションになりました」と感謝を述べた。

そして吉田も、押山監督に「先ほどおっしゃっていた『自信のないオーディションの感じ』というのは、今まで声優の仕事が決まったことがなくて、もしかしたら私は声に魅力がないのかもしれないと思っていた部分。この作品が決まったことで、それを肯定してくれたような気がして。この作品に出合えて、みんなに出会えてよかったなと思います。大ヒットおめでとうございます」と思いを伝えた。

第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。

【作品情報】
ルックバック

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