元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在は鳥越アズーリFM「たかなし亜妖のモザイクストリート」で冠番組を持つなど、メディア出演も積極的に行っている。
企画女優からメーカー専属になる女優が増えたワケ
近頃セクシー業界で、企画女優から単体女優へ転向するパターンが急増中だ。気づくと話題の人物の専属入りが決定し、名だたる有名セクシー女優たちが華々しい新章のスタートを切っている。
メーカーと契約するとリリースが月1本のみとなるため、ファンからすると賛否両論なのだが……。企画→単体のパターンは年々増えており「一体なぜ?」とユーザーは疑問に思うはず。今回はみなさんのハテナを解決するべく、業界の裏事情を暴露しよう。
企画から単体へと“レベルアップ”する女優が増えた理由は大きく分けると理由は2つ。
「AV新法による影響」
と
「売り上げを安定させるため」
だ。
AV新法によって制定されたルールについての詳しい話は割愛させていただくが、要するに新法の影響で契約関連や審査の締め付けが厳しくなったため、業界全体でリリース本数が減ってしまった。こうなると演者の仕事がなくなり、売り上げも下がるので、メーカー、事務所、そしてセクシー女優の全員が困り果ててしまうのだ。
メーカーが少しでも数字を安定させるには、売り上げを持つ女優を起用するしかない。その結果、制作陣は今をときめく企画女優を専属として迎えることにした。
一定の人気を誇る女優と契約すれば、ゼロからイチという地道な作業が不要になる。女優自身も月一回の仕事が確約され、更なる注目を浴び……と良いことづくめだ。メーカーがAV新法の影響を逆手に取り、なんとか売り上げを確保するための施策とも言えようか。
専属になれば仕事も安定し“引退防止”に
AV新法により引退していく女優の数は計り知れない。売れっ子だったあの人も急に仕事が激減して、見切りをつけて去ってしまう例はここ数年で多発している。
メーカー専属になれば月1回必ず撮影ができるし、リリースイベントも確約されたようなもの。収入が安定すると女優のモチベーションが下がらずに済み、多少なりとも延命が可能になる。
制作側や事務所としても、力のあるスターの急な引退は避けたいところ。……となると企画女優から単体女優への転向は、
“引退を遅らせる大きな魔法”
といっても過言ではない。女優本人としても、業界の花形であるメーカー専属は、この上ない最高のオファーだからだ。
人気が高い状態で契約を交わせば、早々に売り上げが激減することは考えにくい。売れるかわからない新人で博打を打つよりも、すでに完成されたプロと仕事をして安定を図るのが今の業界のオーソドックスなやり方なのである。
AV新法以外の影響も
昔は「企画は企画、単体は単体!」のように線がハッキリと引かれていた。企画女優から単体女優への転向はまずあり得ないもので、①単体・②キカタン(企画単体)・③企画と、ヒエラルキーが明確だったように思う。
平成後期付近から人気企画女優がメーカー専属に変わるパターンも見られたが、本当に一部だけ。現在のように、企画→単体のお知らせが出るのは珍しかったため、完全に時代の変化と言えようか。
AV新法の影響は確かに大きいけれど、それ以前にビデオの売り上げ自体が下がっているのも企画女優に頼らざるを得ない原因である。どこの会社からも制限なく作品がリリースできて、各方面でファンを獲得する彼女たちは貴重な存在。だからこそ、専属契約を打診するメーカーは、今ある高い人気を一か所で独占したいのだ。
ちょっと前までは単体女優が一番偉いといった風潮だったけど、今は数字を持つ企画女優が大事にされる時代。下剋上と言わんばかりの専属契約は注目度も高く、ドのつく新人よりも契約本数や売り出され方に大きな違いが出たりもする。
企画女優減少の危機に
企画女優と大手メーカーの契約はたいへん興味深いものの、このままでは企画女優の数が大きく減ってしまう。「そのぶん供給できればいいじゃないか」なんて声もあるけど、仕事が安定する前に引退を決める人の数が多いことも災いして、次世代のエースが現れにくい状況が出来上がっているのも事実だ。
メーカーが次から次へと企画女優を囲うと、専属ばかりが増えてしまうのも悩ましい問題。ユーザの中には「単体を好まない、企画オンリーのファン」も多く、そこのニーズを満たせないと売り上げが下がる一方だろう。
さまざまな事情により、企画を続けられる女の子も今は数少ない存在になった。AV新法が業界に与えた影響は相変わらず尾を引いているため、もう一度内容の見直しが必要だと私は思っている。
製作陣は人気女優に頼りきり?
また、制作側も人気女優に頼りきりになっている部分が否めない。セクシー業界は単体がいて、企画もいて成り立つ世界のため、事務所やメーカー陣は新人を育てる方向にもっと注力すべきではないだろうか?とも思う。
ただ、女優目線で考えると、企画女優から単体女優へとレベルアップができるのは非常に夢があって良いことだ。企画女優からするとメーカー専属は誰もが憧れる立ち位置で、今まで頑張ってきた成果が「単体契約」として形に現れるのだから、業界で輝きたい女の子からすると嬉しいご褒美であることに間違いはない。
これからも企画女優から単体女優になる例は増え続けるはずなので、引き続き業界の動きには注目をしたいところ。もしかすると数年後は「え、この人が!?」という驚きの人物が、どこかの専属女優になっているかもしれない。
文/たかなし亜妖
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
【関連記事】
・
覚せい剤で逮捕、“13年間獄中”で過ごしたセクシー女優。「5か月で3000万円稼いで全部薬物に使いました」
・
一児の母を公言する人気セクシー女優、デビューの理由は“夫とのレス”。15歳になった息子とは「仲良く生活しています」
・
副業でセクシービデオに「エキストラ出演」するアイドル。どうしても“お金を稼がなければいけない”理由
・
「人気アイドルグループ」の元メンバーがセクシー女優に。アイドル時代と同じ“本名”で活動するワケ
・
「元おニャン子の娘」が“セクシー女優兼アイドル”になったワケ。デビューを伝えたとき、親の反応は