アジア最大級の映画の祭典、第37回東京国際映画祭(TIFF)が行われている中、10月31日に丸の内ピカデリードルビーシネマにて「Dolby Cinema Japan Awards 2024」が初開催。水谷豊監督や、山崎貴監督、西岡徳馬らが登壇した。Dolby Vision/Dolby Atmos制作の作品や、その製作者を対象に賞が贈呈される同アワード。日本の「コンテンツ産業の国際的な発展」と、「鑑賞体験の劇的な向上」に貢献し、映画技術の革新をリードした作品たちにスポットライトが当てられた。
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初Dolby Cinema賞の実写劇映画部門は『轢き逃げ 最高の最悪な日』(19)、舞台作品部門で『ゲキ×シネ「偽義経冥界歌」』(20)、新作アニメ部門では『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(20)、音楽ライブ部門では『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』(21)が受賞した。
『TAP -THE LAST SHOW-』(17)に続いて『轢き逃げ 最高の最悪な日』で監督に挑んだ水谷は「初Dolby Cinema賞、しかも第1回目という記念すべき授賞式で受賞し、表彰されるなんて想像もしていなかったこと。それだけにいま、幸せと興奮に包まれています」と喜びのコメント。
続けて「『轢き逃げ 最高の最悪な日』の撮影が始まる前、Dolby VisionとDolby Atmosのプロモーション映像を観せていただいた時の衝撃と感動はいまも心に深く残っています。そしてぜひ、Dolby Cinemaを作りたいと思いました。ただ、当時は日本では仕上げができなかったんですけど、僕はどうしてもスケジュール的に(仕上げを行う)ハリウッドに行けなくて。すべてを撮影監督の会田正裕さんに任せて、時間をかけて仕上げました。そうして出来上がったこの作品が受賞したこと、関わったスタッフ全員が幸せを感じる日になりました」と感慨深げに語っていた。
また、Dolbyの技術を使用して制作に挑戦した作品や、業界に大きな影響を及ぼした作品が対象となる特別賞(主催者選考)では、『ゴジラ-1.0』(23)や、真田広之が主演&プロデューサーを務めたハリウッドドラマ「SHOGUN 将軍」が受賞。アメリカでも公開され、全米歴代邦画実写作品の興行収入1位を記録した『ゴジラ-1.0』で監督・脚本・VFXを手掛けた山崎監督は、「ずいぶん前からDolby Cinemaで映画を作りたいという憧れがあったんですけど、『ゴジラ-1.0』でようやくそれが実施できました」とコメント。
さらに、「やっぱり“ゴジラの恐怖”というのは非常に大きなテーマだった。臨場感というものがすごく大事なんですけど、やはりこのDolbyの画と音で、何段にもパワーアップしていくのを目の当たりにしまして。本当にすばらしい技術を作っていただいたなっていうことを改めて感じました。Dolby Cinemaは、僕らが一生懸命作ったものを、さらに高いところに底上げしてくれる技術。この技術があるからこそ、ゴジラがより恐ろしくなったと思います」と、Dolby Cinemaの持つ力について熱弁した。
そして、エミー賞18冠の「SHOGUN 将軍」で戸田広松役を演じた西岡は、エミー賞授賞式でのひと幕を振り返り、「ヒロ(真田)と抱き合って、『俺たちは日本のためにすごいことしたよな』って喜びました!」とニッコリ。「今度、11月16日から11月23日の8日間限定で、(一部の)劇場でこの作品(の第1話、第2話)が観られるんですけれど。ちょっと迫力が違うので。デッカイ劇場でも観ていただけたら」と、力強くアピールしていた。
取材・文/平井あゆみ
※西岡徳馬の「徳」は旧字体が正式表記
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