覚せい剤で逮捕のセクシー女優、13年間の女囚生活を明かす。「獄中の“彼女”から思い出作りを迫られて」

合沢萌さん

覚せい剤で逮捕のセクシー女優、13年間の女囚生活を明かす。「獄中の“彼女”から思い出作りを迫られて」

11月1日(金) 15:52

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覚せい剤の所持・使用だけでなく販売にまで手を出し、結果として約13年を「塀の中」で過ごすしたセクシー女優の合沢萌さん。

今回は獄中生活で体験した、さまざまな出来事を語ってもらいました。刑務所での恋愛事情や彼女との「思い出作り」など、前回に引き続き強烈な話が満載です!

プライバシーゼロだった刑務所での暮らし

――刑務所での生活って、集団生活ですよね?

合沢萌(以下、合沢):基本的には集団生活です。朝も昼も夜も、いつも集団ですね。

――じゃあプライバシーなんかは……。

合沢:全然ないです。手紙なんか書いていたら、内容が横から見えちゃうくらい。誰がどんな本を持っていて、この人はこんな趣味がある、みたいなことが全部わかっちゃいます。

――そんな生活のなかで、元セクシー女優の経歴が理由でなにか言われたことはあります?

合沢:それはとくになかったですね。みんなに「鼻フックしたことある」って話して、盛り上がったくらい(笑)。刑務官の先生ももちろん知っていましたが、そのせいで差別されるようなことはなかったです。

――じゃあ、塀の外での経歴は刑務所生活ではあまり関係ないわけですね。

合沢:と言うか、私の「元セクシー女優」なんて経験は全然たいしたことじゃなかったです。子どもの頃からネグレクトされていて「泥水も飲んでいました」って子がいたり、小さな頃から盗みで生きてきたって子がいたり。そういう経験をしていた子もたくさんいたので。

刑務所生活が「意外とつらくなかった」ワケ

――刑務所の中は集団生活で、自由もないですよね。ツラくはなかったですか?

合沢:どうなんでしょうね。こう言うのは良くないですが、意外とツラくはないんですよ。もちろんいつも誰かと一緒とか、好きな物が食べられない、好きな人に会えないとか、ツラいんですけど、それはみんな同じなんで。

私だけが不自由だったら悔しいけど、みんなができないんだから、それはもう仕方がないって感じですね。

――刑務所の中での我慢は特になかったと。

合沢:そうですね、堂々とするわけにはいかないですけど、自慰行為もこっそりしていました。

――禁止されてはいないんですか?

合沢:一応、禁止にはなっています。でも暗黙の了解で「こっそりなら」って感じです。でも昔は、しっかり禁止事項として書いてあったらしいですよ。「陰部摩擦罪」みたいな感じで(笑)。今はもう消されているみたいですけど。

刑務所内でできた彼女との「思い出作り」

――すごいネーミングですね(笑)。ちなみに女子刑務所内だと、女性同士で付き合っていたという事例を聞いたことがあります。

合沢:はい、私も彼女がいたときがありますよ。でもみんなが付き合うわけじゃなくて、全体的には珍しいですね。

――共同生活の中でバレないんですかね?

合沢:同じ部屋の人たちには話して、付き合うことを認めてもらいました。最初は「おはよう」とか「おやすみ」のチュウくらいでしたね。

でも私が美容師の資格を取る2年間しか一緒にいられない子だったんです。それで私が卒業する前に、その子から「思い出がほしい」って言われて。

――思い出、ですか……。

合沢:はい。私も「思い出、かぁ……」と思って、部屋のみんなに相談したんです。こそこそ「思い出作り」をしたら懲罰になってしまうので、日にちと時間を決めて、みんなに見張りをしてもらって、手でしてあげましたね。

――いい話ですねぇ。やっぱり同じ部屋で暮らしていると、もう仲間みたいな感覚なんですかね。

合沢:そうなんですけど、そのなかのひとりには後で密告されましたね(笑)。「変なことをしている人がいます」みたいな感じで、日記とか手紙とかに書くんですよ。先生(刑務官)に検閲されるから、それでバレちゃった。

――密告ですか。密告した人にはプラスがあるんですか?

合沢:そういう場合もあるみたいですね、得点稼ぎみたいな。でもそういうことをする子は、部屋の仲間から弾かれます。私も、もうその子とは口をききませんでした。

刑務所での生活はめちゃくちゃ健康的

――刑務所での1日の暮らしは、どんな感じなんでしょうか。

合沢:平日は朝の6時50分に起きて、7時20分には工場に出ます。16時くらいまで作業をして、ご飯を食べてから部屋に戻ります。あとは余暇時間といって、18時くらいからテレビを見たり本を読んだりして、21時には就寝時間ですね。

――規則正しいですし、健康的な生活ですね。

合沢:めちゃくちゃ健康になりましたね。ちゃんと3食とるし、メニューもときどき「なんじゃこりゃ?」ってのもあるけど、ちゃんとおいしいものが出ますし。睡眠時間もしっかり確保されていますしね。

――じゃあ、刑務所の中の暮らしに対して、大きな不満はなかったんですね。

合沢:刑務所の中に入っている、と思えば、当たり前の生活かな、と私は思えました。でもやっぱり我慢ができないって子もいましたね。やっぱり共同生活だと、もし嫌いな相手がいてもほぼ24時間ずっといっしょにいなければなりませんから。これはキツイですよ。

覚醒剤をやめたいなら長い懲役に行くべき

――薬物は我慢できたんですか?

合沢:それは我慢できましたね。最初はつい、良さそうな血管を探しちゃったりしたんですけど、もうそれは癖みたいなもので。

薬をやりたいって感じではなかったですね。9年間も刑務所に入っていたので、今は全然やりたいとも思わないです。だから覚醒剤をやめたいなら、長い懲役に行ったほうがいいです。長期間入るような罪を犯せって意味じゃなく、法律自体を変えたほうがいいんじゃないかな、と思います。

――強制的に薬を抜かないと、てことですかね。

合沢:それもありますけど、私が「悪いことは絶対にもうしない」と思えたのが、2回目の懲役の6年目くらいだったんですよ。それまでは「出たらまた売っちゃおうかな」って思うこともありました。

「ずっと刑務所にいる人になっちゃったら、人生がもったいないよ」

――ついフラフラ、と再犯してしまうケースは多いようです。

合沢:私の場合、刑務所の中で仲の良い友達がいたんです。その子は所持・使用だけで5回くらい刑務所に入っていて。その子に「お金がなくなったら、また密売とかしちゃうかもしれない」って話したら「絶対にやめて」と言われました。

「また捕まったら、10年は確定だよ、そうしたらアナタは50歳になっても刑務所にいる、刑務所だけの人になっちゃうよ。それじゃ人生がもったいなすぎる」って。

――そのお友達の実感から来る言葉ですね。

合沢:彼女も「自分がそうだから、自分が言うのもなんだけど。でも本当にもったいない」って。そのときに本気で「もう絶対に悪いことはしない」って思えたんです。

――合沢さんは長く刑務所に入っていたし、そのお友達とも出会えて、今みたいにまっとうに生きよう、と。

合沢:はい、そう思えました。もし3年くらいしか入っていなかったら、もう1回やっちゃったかもしれません。

あとは刑務所の中で、ひとつのことをコツコツとやる、その大切さを学びました。芸能の世界は、初めての現場に行って、そこで良いパフォーマンスをして、お金をもらう、その連続なんです。それも継続は継続ですけど、短いスパンの連続。

――1回1回リセットされる、って感じでしょうか。

合沢:それが、ひとつの小さな行動から始めて、地道に積み上げていって、頑張って認められる、そういう認められ方もあるんだなって気付けたのは、すごく良かったです。刑務所に入って、すごく貴重な経験をさせてもらいました。私にはこれくらいの荒療治が必要だったんだな、と思っています。

――刑務所の方々への感謝があるんですね。

合沢:はい。最終目標は、刑務所に慰問に行くことです。でもなかなか難しいらしくて。これからさまざまな活動を頑張って、服役経験者としてのお話を刑務所でして、お世話になった方々に恩返しできるようになりたいですね。

<取材・文/蒼樹リュウスケ撮影/星亘>

【蒼樹リュウスケ】
大学在学中に成人誌出版社で編集のアルバイトを始め、そのままアダルト業界に定住。大手AVメーカーの雑誌編集部を経て、フリーライターとして独立。好きなことを書きたいと思った結果、アダルトならなんでもありな文章を書きまくる生活を送っている

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