日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『十一人の賊軍』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『十一人の賊軍』をレビュー!

11月1日(金) 17:00

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』!歴史的な「裏切り」を描く、集団抗争時代劇の最新型!***『十一人の賊軍』 評点:★3点(5点満点) ©2024「十一人の賊軍」製作委員会

©2024「十一人の賊軍」製作委員会


ビジュアル的な「残酷」はたっぷりだが......戊辰戦争の折、新政府軍と奥羽越列藩同盟の板挟みで右往左往する新発田藩が秘策として、処刑を目前に控えた囚人たちで「賊軍」を結成、とある砦の防衛に当たらせたら......という設定は『特攻大作戦』(1967年)などでおなじみのものだ。

本作はそこに江戸時代ならではの、身分制度による理不尽なども盛り込んであり、娯楽アクション映画として楽しめる半面、陰惨で血なまぐさい物語でもある。

斬られた首や手足がぽんぽん飛んで血もいっぱい出るので、そういう満足度は高い。少なくとも「チャンバラがあるのに血が全然出ない時代劇は物足りないなあ」と思ってしまいがちな筆者のような観客にとっては特にそうだ。

キャラクターはそれぞれマンガ的で面白く、サイコパス的な家老や、囚人たちにも分かりやすい「属性」が付与されている。が、そういう囚人たちがどのような不条理、どのような横暴にさらされてきたかについてはほとんど示されないので、彼らの「怒り」のモチベーションがやや遠景化してしまっている。

無情なシステムによる残酷がどのように彼らを追い詰め、「罪人」へと変えていったのか、その部分がもっと見たかったと思う(主人公はそれが描かれていた)。

STORY:1868年、旧幕府軍と新政府軍の間で争われた戊辰戦争。新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で、捕らえられていた11人の罪人が藩の命運を握る壮絶な戦いに身を投じる



監督:白石和彌

出演:山田孝之、仲野太賀、阿部サダヲほか

上映時間:155分



全国公開中

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