【写真】過去に一体何が…衝突が多い杉咲花“朝子”&土屋太鳳“百合子”
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系※第2話は15分枠大)の第2話が11月3日(日)に放送される。全員主役級の豪華キャストが勢揃いした本作は、10月20日に初回が放送されると「さすが日曜劇場と思わせる壮大なスケール」「出てくる人出てくる人大物俳優ばかりで息をのんだ」などといったコメントが多数寄せられ、X(旧Twitter)ではトレンド1位に。先の読めない展開に注目が集まっている。このたび、WEBザテレビジョンでは本作のプロデューサー・新井順子氏にインタビューを実施。キャスティング面でのこだわりや撮影秘話、また今後の注目ポイントなどについて聞いた。
■これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント”
同作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。
戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいくと同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントだ。
脚本は野木亜紀子、監督は塚原あゆ子、プロデューサーは新井が務め、「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年、共にTBS系)などを手掛けたヒットメーカーたちが、完全オリジナル作品で初の日曜劇場主演に挑む。
■昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ登場人物を演じるのは…
神木は、1950年代の端島に生きる主人公・鉄平に加え、現代の東京に生きるホスト・玲央の一人二役を演じる。
また、鉄平の良き理解者である兄・進平役で斎藤工、鉄平に思いを寄せる食堂の看板娘・朝子役で杉咲花、端島に突然現れた謎の女性・リナ役で池田エライザ、鉄平の親友でありライバルである賢将役で清水尋也、ある過去を抱える自由奔放な鷹羽鉱業職員の娘・百合子役で土屋太鳳が出演。
さらに、謎多き行動で物語をかきまわしていく婦人・いづみを宮本信子が演じる他、國村隼、沢村一樹、中嶋朋子、山本未來、さだまさしといった実力派俳優陣がストーリーを盛り上げる。
■こだわりが詰まったキャスティング秘話を告白
――本作誕生のきっかけは、野木さんとの長崎旅行だと伺いました。初めて端島を見たときの印象はいかがでしたか。
どこか時が止まっている感じがしました。観光地ではあるものの、観光地っぽくないといいますか 「圧巻」の一言ですね。
――豪華なキャストも話題の本作ですが、キャスティング面でのこだわりがあれば教えてください。
まず、神木さんに関しては即決でした。神木さんとは長い間話し合いを重ねて、主演をやっていただくことになって。次に主要キャストにあたる女性3人はパッと見ただけで違う人だと分かるようにしたいと考えていました。
全くテレビを見ない方や、外国の方が見ても、顔や雰囲気が違う3人の女性を探していたのですが、リナ役は歌唱シーンがあるため歌えないといけなかったんです。歌唱力があって、お芝居がしっかりできる方となるとかなり限られてくるので…。
池田さんって、あまりGP帯のドラマに出演されている印象がなかったので“断られるかな…”と思っていたのですが、お父さんが端島の横にある高島のご出身だったこともあり、すぐに出演OKをいただきました。
杉咲さんは中学生のときに、土屋さんは高校生のときにご一緒していたのですが、“また一緒に作品をやりたいな”という思いがあり、お願いをしました。
斎藤さんはいつもお声がけしていたのですが、なかなかタイミングが合わず…今回ようやく念願かなってご一緒することになりました。清水さんに関しては、野木さんの中でイメージがあったようで「どうしても清水くんにしたい」とリクエストがあって。最初は神木さんと少し年が離れていることを懸念していたのですが、(幼なじみ役として)全く違和感がなかったです。
皆さん本当に仲が良く、空き時間もずっと話していて。現場づくりも含めて良いキャスティングができたなと思っています。
■座長・神木隆之介は「一瞬で役に没入できるタイプ」
――神木さんは鉄平と玲央という2つのキャラクターを見事に演じ分けていますが、実際にお芝居をご覧になってみていかがですか。
「見たことのない神木さんを作りたい」と話していて、現代パートはホスト役にしたのですが、(神木が)ロケをさせていただいたホストクラブの方に「女性に声を掛けるときってどうしているんですか?」とかなり具体的にお話を聞いていて。そして、そこで得た要素を演技に取り入れるのが本当に上手だなと思いました。
第1話で玲央が女性に声を掛けるも無視されてしまって「ケーチ」というシーンがあるのですが、そのときの言い方も生っぽいといいますか、リアルだなと。
実はあの日、夕方まで鉄平だったんですよ。夜だけ玲央を演じていただいたのですが、この切り替えはご本人もすごく難しかったとおっしゃっていました。鉄平は真っすぐで前向きなキャラクターですが、夜になった瞬間に全てを無にするという玲央のモードに持っていくのが大変だったみたいです。
ですが、見事に演じ分けてくれているなという印象ですし、玲央の死んだような目とかがなじんでいるなと。それが今後どのように変化していくのか、私自身も楽しみです。
――現場での神木さんの様子はいかがですか。
没入型といいますか、ご本人もおっしゃっていたのですが「よーいハイ!」でスイッチが入って、カットがかかった瞬間、素の神木さんに戻るんですよ。ずっと役に入ってしまって話しかけられない俳優さんもいると思うのですが、全くそんな感じはなくて。切り替えが素晴らしく、一瞬で役に没入できるタイプなんだと思います。
それに加えて、お芝居がとにかく自由で。台本に書いていない行間も埋めてくる感じといいますか、いつもアイデアをくださるんです。
第1話でも父・一平(國村)に靴下を投げるシーンがあるのですが、あれも靴下を脱いで投げようと思い付いたみたいです。國村さんだけに「すみません、(靴下を)投げます」と言っていたと後から知ったのですが、どうやったら面白くなるかを常に考えている方だなと思います。
■「“新しい世界が広がったな“と思っていただけたらうれしい」
――第1話を見ただけでは、この物語がどこへ向かっていくのか未知数なところも魅力的でした。
端島パートでいうと、前半は“青春感”があるのですが、長い期間を描くので、中盤には“こうきたか!”という展開が描かれたり…後半にはまた違う味わいがあって、野木さんならではの魅力を感じていただけるはずです。
――第2話では端島に大型台風が接近しますが、撮影で大変だったことを教えてください。
台風のシーンは本当に大変でした…何トン水を使ったんだろう(笑)。現場に大きなプールを用意して、水をいっぱいになるまで溜め、それを一気に流すという…。さらに、上にはシャワーみたいな機材を大量に吊るして、合図を出すと端島銀座全体に雨が降るという装置を丸一日掛けて設置しました。
あとは、思いっきり水がかかるシーンがあるのですが、ドラム缶を5つ使った装置を作って、それを一気にひっくり返しているんです。真夏に撮影をしたのですが、あそこまで濡れてしまうと服も全然乾かないので、足湯に入ってもらったりして暖をとって…みんなで震えながら頑張っていただきました。
――今後、物語はどのように展開されていくのでしょうか?
愛によって、さまざまなことが巻き起こっていきます。実は第1話にも、すでにさまざまなヒントが散りばめられていて、最終回の台本を読んだスタッフたちも「えー!?」と驚いていました(笑)。
それに、最終回まで見ていただくと、神木さんが鉄平と玲央の一人二役を演じている理由も分かるはずです。
過去パートで描かれた内容が、どう現代パートに結びついてくるのかという点が今後見ていく上でのポイントになっていくと思います。全員主役のような登場人物たちがいて、それぞれの人生を玲央が知ることによって現代パートの面々にも変化が表れていって…過去からのメッセージを、どのように玲央が受け取って、行動していくのか、注目してみてください。
――最後に、野木さん、塚原監督、新井プロデューサーの3人が作る作品のファンだという方もたくさんいらっしゃるかと思います。常に作品が注目されている現状について、新井さんはどうお考えですか?
そんなに注目されていますか?(笑)ちゃんと期待に沿えることができるといいなという気持ちではあります、「今回はイマイチだったな」と言われるのは悲しいですし。
この3人でやる日曜劇場は今回が初めて。「アンナチュラル」、「MIU404」とやってきましたが、今回はまた違うジャンルの作品をお届けするので、“新しい世界が広がったな“と思っていただけたらうれしいです。
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