「愚か者めが!」丸川珠代元議員、落選でTVコメンテーター転身には大きな欠落。金子恵美氏・豊田真由子氏と比べてみたら

(画像:丸川珠代元議員公式サイトより)

「愚か者めが!」丸川珠代元議員、落選でTVコメンテーター転身には大きな欠落。金子恵美氏・豊田真由子氏と比べてみたら

11月1日(金) 8:45

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10月27日の衆議院総選挙で東京7区から出馬した丸川珠代元五輪相が落選しました。

自民党の派閥裏金をめぐる処分で比例区への重複立候補が認められなかったために復活当選もなし。夫の大塚拓元内閣府副大臣とともに、夫婦そろって議席を失いました。

子ども手当に「愚か者」ヤジ、選挙中は「どうかお助けください!」絶叫



選挙中には劣勢から、「どうかお助けください!」と絶叫する姿が逆に批判を集めたのも話題になりました。幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏が自身のXアカウントで<なんで散々税金払った上にあなたを助けなきゃいけないんだよ。根本的になにか勘違いしてないか?>と、圧倒的な正論でツッコまれる始末。

ここまで批判されるのには、議員時代の丸川氏の言動とキャラクターが影響しているように思われます。

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初当選は2007年の参議院選挙でした。東京大学経済学部卒業し、当時テレビ朝日のアナウンサーだった丸川氏は、安倍晋三首相(当時)にスカウトされ立候補し、見事当選を果たしました。

出馬表明の際には、「この国に生まれてよかった、日本人の美徳を守り続けていかなければいけない」と語り、スタート時から熱烈な安倍シンパだったことがうかがえます。

しかし期間中には、住民登録の遅れから、自らが出馬する参院選挙への投票権を持たないことが判明。厳しい批判にさらされると、遊説中に丸川氏が片山さつき参院議員に抱きついて号泣する一幕もありました。

こうして気高い理想ともろさが同居していた丸川氏も、経験を積んで存在感を発揮していきます。

象徴的なシーンが、「愚か者めが!」のヤジでしょう。2010年に当時の民主党政権が所得制限のない子供手当を打ち出した際に、<愚か者めが、このくだらん選択をした馬鹿者どもを絶対に許しません>と、アナウンサー仕込みのよく通る声で叫んだのです。

今後は大学・企業でのポスト、またはTVコメンテーターの道か



鳩山由紀夫首相(当時)への風当たりが強かったのも相まって、この「愚か者めが!」は大ブレークしました。フレーズをプリントしたTシャツまで販売され、ここが政治家、丸川珠代のピークでした。

しかし安倍晋三氏が亡くなると、次第に党内での立場は危ういものに。昨年の国会で、立憲民主党の長妻昭議員から「愚か者めが!」発言をただされた岸田文雄首相(当時)が「反省しなければならない」と答弁したのです。これは明確なメッセージでした。

その後、安倍派を中心とした裏金問題が明るみとなり、該当した丸川氏にも処分がくだされ、今回の落選に至る、という流れです。

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さて、そんな丸川氏ですが、早くも今後の活動に注目が集まっています。元財務官僚の経済学者、高橋洋一氏は自身のYouTubeチャンネルで大学のポスト、もしくは会社の顧問に収まるパターンを予想。同じような肩書を複数得られれば、月に数百万の収入が確保できるだろうと話していました。

もうひとつは、多くの政治家経験者と同じく、テレビコメンテーターの道。テレビ朝日のアナウンサー時代に担当していた番組のつながりを利用して、ふたたびビートたけしとの絡みを模索するのではないか、と予想する関係者もいました。

というわけで、今回は丸川氏がコメンテーターになったケースを想定して、課題を考えていきたいと思います。ここでは同じく自民党所属だった二人の元女性議員と比較してみましょう。

金子恵美氏、野党批判するが丸川氏ほど過激に転じないのが強み



まず金子恵美氏。基本的な論調は、時の政権寄りで、野党のスタンスに批判的です。“批判だけに終始する野党には政権担当能力がない”ということを、冷静に説くスタイルですね。

これが、丸川氏のように過激な攻撃性に転じないのが金子氏の強みでしょう。あからさまに刺激的なワードは選ばないのです。あくまでも理屈のうえで、攻撃したい対象を追い詰めていく。

また、金子氏には夫の宮崎謙介氏(2016年に不倫を批判され議員辞職、その後2020年にも不倫を報道)という箸休め的な存在があるのも大きい。夫の話題で笑いを取れるので、シリアスな雰囲気が中和される。この緩急があるから、金子氏は重宝されているのだと思います。

豊田真由子氏、厚生官僚の経験と知見をわかりやすく語る能力



そして、もうひとりは豊田真由子氏です。2017年に秘書に対する「このハゲー!」、「ちーがーうーだーろー!!」などの暴言がきっかけで、自民党を離党。その後の選挙で無所属で立候補したものの、あえなく落選し、コメンテーターに転身しました。

そんな豊田氏のメディアデビューは2020年3月9日放送の『バイキング』(フジテレビ系現在は放送終了)でした。“あの豊田真由子がしゃべる、一体どんな人物なんだろう?”といった怖いもの見たさの好奇心のなか、豊田氏の語り口は予想を裏切るものでした。

当時猛威をふるっていた新型コロナウイルスの問題について、厚生官僚時代の経験と知見をもとに、一般の視聴者にもわかりやすい言葉で簡潔に語ったからです。

司会の坂上忍も驚きつつ感心し、視聴者に豊田氏の本来の能力を印象付ける結果となりました。

何もない丸川氏はTVで空回りする可能性が高い



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この二人と比較すると、丸川氏には悪い意味でのイメージがしみついてしまっているのではないか。

つまり、政治家としての活動期間で、“安倍親衛隊”以上の存在だと有権者から認識されなかったということです。

金子氏のようなバランス感覚もなければ、豊田氏のような政策立案的な考え方を培ってきた形跡もない。じゃあ、いまさらビートたけしと絡んでコントめいたものを展開したところで、やはり「愚か者めが!」がこびりついて離れない。だからといって、「お助けください!」との落差を埋める得難いキャラクターがあるわけでもない。

どのような内容を話したとしても、言葉が空転する可能性が高くなるのですね。

つまり、コメンテーターの丸川氏は、視聴者から「愚か者めが!」とさえ言ってもらえなくなるのです。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4

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