飲むときは太るとかやせるとか忘れて思いっきり楽しまなくちゃ

飲むときは太るとかやせるとか忘れて思いっきり楽しまなくちゃ

11月1日(金) 17:00

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1994年『漫画ゴラク』にて連載を開始し、最新55巻が絶賛発売中!累計発行部数800万部を記録するラズウェル細木の長寿グルメマンガ『酒のほそ道』。主人公のとある企業の営業担当サラリーマン・岩間宗達が何よりも楽しみにしている仕事帰りのひとり酒や仕事仲間との一杯。連載30周年を記念し、『酒のほそ道』全巻から名言・名場面を、若手飲酒シーンのツートップ、パリッコとスズキナオが選んで解説する。「もーヤダ唐揚げってなんでこんなにおいしいの?」「オムライスってのは飯だけどいいつまみになるんだよ」

「飲むときは太るとかやせるとか忘れて思いっきり楽しまなくちゃ」

『酒のほそ道』21巻第8話『アツアツ唐揚げ』©ラズウェル細木/日本文芸社

健康に対する意識が高まるのはいいことだが、「ヘルシーな食生活を心がけなくては」と常に考えながら生活するのは少し窮屈な気がする。食品のカロリーを過剰に気にしたり、食べたいものを必死に我慢したり、そんな日々を続けているうちに、食べることがまるで罪深い行為かのように思えてきてしまう。

宗達も、現代を生きる人として、もちろん食生活の乱れには気をつけているだろう。暴飲暴食が続いたあとでダイエットに挑戦するエピソードも「酒ほそ」には幾度となく登場する。しかし、今回の宗達はそんなことおかまいなしだ。唐揚げを注文する宗達に「カロリー高いから焼き鳥にしない?」と同僚のかすみさんが言っても一切聞く耳を持たない。

唐揚げはうまい。最初は「アタシは食べませんから」と言っていたかすみさんもついつい手をつけ、豪快にビールジョッキを傾ける。2軒目でふたりは手羽先の唐揚げを注文。「もーヤダ唐揚げってなんでこんなにおいしいの?」とかすみさんもノリノリに。立田揚げ風の唐揚げがたまらなくうまいという3軒目の店で「揚げもの食いすぎるとカラダに悪いしな…」とさすがに一瞬の躊躇を見せた宗達に「今日は四の五の言わずにとことん唐揚げ食べましょーっ!!」とかすみさんが叫ぶ、その顔の迫力がすごい。

「いやさっきのはつまみで今度のはシメ」

『酒のほそ道』21巻第22話「オムライス」©ラズウェル細木/日本文芸社

親戚のオジさんとオバさんのショッピングの手伝いに駆り出された宗達。買い物の途中、ひと息入れようと、一行はランチを食べに洋食店へ入る。瓶ビールで乾杯し、オジさんはビーフシチューを、オバさんはエビマカロニグラタンを、それぞれ注文する。宗達はそんなふたりに「も少しつまみになりそうなものはとらないの?」とこぼしつつ、自分はオムライスをオーダー。

宗達曰く、「オムライスってのは飯だけどいいつまみになるんだよ」とのこと。「玉子やハムや玉ネギやマッシュルームやケチャップライスを チビチビとつまみながら ぐいぐいビールが飲めるんだな」というのだ。つまみになる料理を見抜く宗達の勘の鋭さが遺憾なく発揮されている。美味しそうにビールをあおる宗達を見て「どれどれ…」とひと口食べたオジさんもオムライスのつまみとしての可能性に気づき、ふたりは赤ワインを追加。

後半の買い物がまだあるのにとぼやくオバさんに急かされるようにして、宗達は慌ててオムライスをもうひとつ注文する。「さっきのはつまみで今度のはシメ」なのだとか。めちゃくちゃ食べて飲んでしまった宗達、このあとのショッピングは果たして大丈夫なのだろうか……。

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次回「小さなシアワセの見つけかた『酒のほそ道』の名言」(漫画:ラズウェル細木/選・文:パリッコ)は11月8日(金)17時公開予定。

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Credit:漫画=ラズウェル細木/選・文=スズキナオ
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