第37回東京国際映画祭のガラ・セレクションに出品されている「ルート29」が11月1日、TOHOシネマズ日比谷で上映され、主演の綾瀬はるかが大沢一菜、森井勇佑監督と共に舞台挨拶に立った。綾瀬は、同映画祭初参加に関して感想を語った。
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本作は、長編デビュー作「こちらあみ子」で第27回新藤兼人賞金賞を受賞するなど、映画界に新風を巻き起こした森井監督が、中尾太一の詩集「ルート29、解放」にインスピレーションを受けて描いたロードムービー。他人とコミュニケーションがうまく取れない孤独な女性・のり子(綾瀬)が、仕事で訪れた病院に入院している患者から「娘のハル(大沢)を連れてきてほしい」と頼まれ、衝動的に姫路へ向かう――。
長く俳優活動を続けている綾瀬だが、東京国際映画祭に参加するのは今年が初。綾瀬は「レッドカーペットでは、お客さんやマスコミの距離がすごく近くて緊張しました」と振り返ると「とても活気があり、改めて映画のお祭りなんだなと感じました」と感想を述べていた。
詩集「ルート29、解放」にインスピレーションを受けて森井監督が描いた本作。「『こちらあみ子』を撮ったあと、プロデューサーと『次は何をやろうか』と話をしているなかで、この詩集を紹介してもらいました。読んだとき、直感的に映画になるなと思って、企画が動き出したんです」と製作に至る経緯を明かす。
劇中は、綾瀬と大沢が旅する姿がメインだ。森井監督は「ふたりのバランスはとても考えました。どちらに偏ることなく、均等に描くことは意識しました」と演出方法を述べていた。
撮影は、ほぼ順撮りで進んでいったそうで、綾瀬は「国道29号線を旅しながら、のり子とハルが仲良くなっていったように、私と一菜ちゃんも物語のように仲が良くなっていきました。森を通ることが多く、道にカエルや昆虫がたくさんいたので、一緒にとって仲良くなりました」と撮影エピソードを明かしていた。
先日のイベントで綾瀬に手紙を送った大沢。そのなかで「家に遊びに来てください」とラブコールを送っていたが、大沢が「すぐに実現しました」と報告。綾瀬も「スケジュールを合わせてお家に行きました。一緒にババ抜きをしたり、お母さんの手料理もいただきました。とても楽しかったです」と笑顔を見せていた。
綾瀬と森井監督は同世代。綾瀬は「だいたい監督は自分よりも年上の方が多いのですが、世代が同じなので、より一緒に作っているという安心感がありました」と印象を語ると、森井監督は「綾瀬さんと大沢さんは似ているところがある。ふたりとも唯一無二の存在感があり、ご一緒できて良かったです」とほほ笑んだ。そして、「たくさん不思議なことが映画では起きます。でもその不思議さを丸ごと楽しんでいただけたら。心を柔らかくして見てほしいです」と客席に呼びかけていた。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
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ルート29
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