10月31日(木) 6:00
スポーツくじのtotoは、独立行政法人である「日本スポーツ振興センター」によって運営されています。スポーツ振興を目的とした独立行政法人であることから、totoの収益金も選手や指導者の育成、グラウンドの芝生化などスポーツ振興のために使われています。
totoの売上金のうち、どれくらいがスポーツ振興に役立てられるのでしょうか? スポーツくじが運営している「スポーツ応援サイトGROWING」によると、totoをはじめとするスポーツくじの売上金は図表1のように使われています。
図表1
スポーツ応援サイトGROWING スポーツ振興くじの使い道
まず、売上金のうち50%が当選金として払い戻されます。さらに、一部は経費もしくは特定金額として差し引かれます。特定金額とは、国際大会のためのスポーツ施設の整備などに使われる経費のことです。
当選金や諸経費を差し引いた残りの金額が、「収益金」となります。スポーツ振興に使われるのは、収益金の3分の2です。残りの3分の1は国庫に納められます。
収益金の3分の2と聞くと少ないように感じますが、実際はかなりの金額です。2024年度の助成金は188億6605万円(2024年5月時点)となっています。収益金は、主に次のような事業に使われています。
・大規模スポーツ施設整備助成
・地域スポーツ施設整備助成
・総合型地域スポーツクラブ活動助成
・地方公共団体スポーツ活動助成
・将来性を有する競技者の発掘および育成活動助成
・スポーツ団体スポーツ活動助成
なお、スポーツくじには勝敗を予想しないタイプの「BIG」もありますが、こちらの収益金も使い道はtotoと共通しています。
totoの収益金がスポーツ振興に使われているのは確かですが、具体的な助成内容は幅広いです。スポーツくじの目的の1つは「誰もが身近にスポーツに親しめる環境の整備」となっており、totoの収益金が特定のクラブチームを強くするために使われることは基本的にありません。
自分の好きなチームを応援したいなら、2022年9月から販売を開始した「WINNER」のほうが適しているでしょう。WINNERも試合結果を予想するタイプのくじですが、totoとは異なり予想するのはサッカーやバスケの好きな1試合の結果のみです。
WINNERの収益金の一部は、スポーツ振興だけでなくJリーグやBリーグの選手のための環境整備やクラブ強化などに当てられます。そのため、totoに比べると収益金が応援しているチームに使われる割合が高くなっています。
1試合から購入できるWINNERであれば、好きなチームの試合結果にのみ注目すればよいため、応援にも熱が入るでしょう。特定のチームを応援する目的でスポーツくじを買うなら、WINNERを買うのがおすすめです。
totoの収益金の一部はスポーツ振興に役立てられていますが、特定のチームを直接支援することはできません。応援しているチームに貢献するのであれば、収益金の一部がクラブ強化などに充てられるWINNERを買ったほうがよいでしょう。
ちなみにtotoは1口100円から、WINNERは1口200円から購入できます。試合結果の予想を楽しみつつスポーツ振興にも貢献したいという人は、購入してみてはいかがでしょうか?
文部科学省 スポーツ振興くじの経緯
スポーツ応援サイトGROWING スポーツ振興くじの使い道
スポーツ応援サイトGROWING 助成実績
日本スポーツ振興センター スポーツくじ概要パンフレット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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