「愛子さま天皇」妨げる皇室典範に国連から改正求める勧告が…専門家も「女性差別と受け止められている現実は否定できない」

宮中祭祀にも熱心に取り組まれている愛子さま /(C)JMPA

「愛子さま天皇」妨げる皇室典範に国連から改正求める勧告が…専門家も「女性差別と受け止められている現実は否定できない」

10月31日(木) 6:00

「10月17日に愛子さまは『神嘗祭賢所の儀』に臨まれました。神嘗祭は、その年に収穫された穀物を皇室の祖先神とされる天照大御神に捧げる宮中祭祀です。大学ご卒業後、愛子さまは熱心に宮中祭祀に取り組まれており、ほぼ皆勤でいらっしゃいます」

そう語るのは皇室担当記者。

愛子さまが天皇陛下とともに五穀豊穣を祈念されたこの日、スイス・ジュネーブでは国連の女性差別撤廃委員会で、日本政府の女性差別を是正する取り組みを審査する会合が開催されていた。

「会合で議題に上ったのは、選択的夫婦別姓への取り組みや、現在は男系男子のみに皇位継承を認めている皇室典範などです。

日本政府の代表団は“女性差別撤廃委員会で皇室のあり方を取り上げることは不適切”と反論しました。しかし、ある委員は『日本の皇室をリスペクトしているが、われわれはスペインなど王室のある国にも同じことを言っており、日本に対しても平等の観点から指摘している』などと語ったそうです」(前出・皇室担当記者)

同委員会は29日、最終見解を公表した。

「最終見解では、皇位継承における男女平等を保障するため、男系男子のみが皇位を継承することを定める皇室典範を改正するよう日本政府に勧告しました。

いっぽう政府は、勧告については削除するよう申し入れていたそうです。林芳正官房長官は30日の記者会見で、『我が国の立場を説明して記述削除を要請したにもかかわらず、皇室典範に関する記述が盛り込まれたことは大変遺憾』と語りました」(前出・皇室担当記者)

同委員会は、8年前にも最終見解案に皇室典範の見直しを求める勧告が盛り込んだが、当時の安倍政権が猛抗議し、削除されたという経緯があった。

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。

「8年前、私はこの件について共同通信の取材に対し、このように答えています。

《皇室典範の改正をめぐっては国内でも意見が分かれている。国連から批判があるのなら、「内政干渉だ」などと感情的に突っぱねて耳をふさぐのでなく、「海外にはそういう意見もあるのか」と誠実に受け止めるべきだ》

この8年間で、皇室の存続が将来的に困難であると憂慮している多くの国民が、女性天皇や女系天皇を容認するようになっています。女性天皇や女系天皇が制度で実現すれば、日本における女性への差別的な制度や思想が取り除かれる可能性もあると思います」

また神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは、

「皇位継承は天皇の地位、つまり日本国憲法第一条に関わる問題であり、『主権の存する日本国民の総意に基づく』ものです。そのため、今回のように国際機関が立ち入ってくることは主権侵害にあたります。

その一方で、女性天皇や女系天皇が認められていない現状が、国際社会において女性差別と受け止められている事実は、残念ながら否定できません。安定的な皇位継承の問題に、当事者として向き合う責任が日本国民にはあるのです」

■ジェンダー平等を訴えてこられた佳子さま

こうした男女差別の問題について、何年も前から声を上げられていたのが佳子さまだった。

10月6日、ガールスカウト日本連盟が主宰するイベント「ガールズメッセ2024」に出席され、こう挨拶されている。

「自分とは異なる背景や状況への理解が深まることを願っています。このような理解がジェンダー平等を含む、よりよい社会を目指した取り組みを進める力になると思います」

ある宮内庁関係者によれば、

「佳子さまが初めて“ジェンダー平等”についてふれられたのは4年前の’20年10月。『ガールズメッセ』にビデオメッセージを送られたときのことです。多くのご公務を女性皇族方が担っているにもかかわらず、結婚を機に、皇室を離脱しなければいけないという制度に違和感を覚え始められていたのかもしれません。

一時期は姉・眞子さんと同じように、佳子さまも結婚することで皇籍を離脱し、自由になることを考えられていたといわれています。しかし眞子さんは結婚を強行して自由を勝ち取ったものの、ご両親とは断絶、いまでは内親王としての功績も評価されずと、大きな代償を払わざるをえませんでした。佳子さまはお姉さまとは別の選択を模索されているように感じます」

現行の皇室典範では、いずれ愛子さまも結婚か公務かという問題に直面されることになる。

「天皇陛下と雅子さまの願いは、愛子さまが幸せな人生を送られることにほかなりません。

いっぽうで愛子さまはご成年会見でも『(両親とは)これからも長く一緒に時間を過ごせますように』と語られ、また“社会に貢献できる”という理由で、日本赤十字社への就職も決断されました。

10月20日に天皇陛下とご一緒に雅楽を鑑賞されていますが、“結婚後もずっと両親の力になりたい”と、皇室に残られることを望まれているようにお見受けします」(前出・宮内庁関係者)

特に愛子さまにとっては“結婚と公務の両立が叶う皇室”こそ理想といえるだろう。その実現のためにも、小田部さんは“愛子さまと佳子さまの共闘”に期待しているという。

「皇族の方々は政治的な発言はできません。しかし公務や宮中行事に積極的に参加するなど、おつとめを丁寧に実践することによって、女性差別の風潮を改善していくことはできると思います。

シングルマザーの救済、家庭内暴力の撲滅など、苦しむ女性たちに寄り添う活動も多々あります。愛子さまと佳子さまが手を携えて活動されれば、大きな影響を及ぼし、若い世代にとって皇室や女性皇族のお立場をあらためて考えるきっかけとなるでしょう」

女性神である天照大御神も、若き女性皇族方が未来を切り開く姿を見守っていることだろう。

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