前評判どおりの総合力を発揮している千葉ジェッツ(写真は富樫勇樹)photo by B.LEAGUE
9年目を迎えたBリーグが開幕して1カ月。全22チームが9試合を戦い、第5節を終えた。近年の男子日本代表で活躍した選手がそれぞれの所属チームで躍動するなか、東地区ではオフの大型補強で選手層に厚みを増した千葉ジェッツが首位を走り、ベテランぞろいの宇都宮ブレックス、ヘッドコーチ含めて戦力整備を図った群馬クレインサンダーズが続く展開となっている。
【新戦力のホグ、田代が貢献】千葉ジェッツは昨季のレギュラーシーズンでリーグ最高勝率(51勝9敗)の宇都宮ブレックスを相手に、新本拠地・ららアリーナ 東京ベイで2連勝。渡邊雄太が2戦目の10月6日に故障したことによる離脱がありながらも、大黒柱の富樫勇樹を軸に多くの選手が得点面で貢献できる点は強み。3Pショットが35本中4本の成功に終わった茨城ロボッツ戦を落としたが、佐賀バルーナーズ、長崎ヴェルカのアウェーゲームに3連勝し、8勝1敗で首位に立っている。新戦力のDJ・ホグが攻防両面でオールラウンドなプレーで貢献し、渡邊が故障後に先発で起用されている田代直希も堅実な仕事をしている。
長崎との1戦目を32点差で大勝した後、千葉Jのトレヴァー・グリーソンヘッドコーチ(HC)は、「出だしから集中力のスイッチが入った状態で、ディフェンスの強度も高かったと思います。ランニングゲームを終始保つことができ、たぶん今シーズン初めて40分ぐらいそれを通してできたかなと思うので、ここからしっかりディフェンスを作り上げて継続していけたらいいなと思っています」とコメント。2戦目も前半で長崎を27点に限定させたことからも、強度の高いディフェンスをするチームなのは明らか。
11月は名古屋ダイヤモンドドルフィンズと琉球ゴールデンキングス相手のホーム4連戦で勝ち越すことと、渡邊が復帰した後のケミストリーをうまく構築できた場合は、千葉が東地区から飛び出すことも十分考えられる。
ロスターの顔ぶれが昨季から基本的に変わっていない宇都宮は、開幕週で千葉に2連敗したあとにしっかり立て直して7連勝。新指揮官のケビン・ブラズウェルHCが採用する「リード&リアクト・オフェンス」への順応に時間がかかっている点は否めないが、昨季のリーグMVP、 DJ・ニュービルとベテランシューターの比江島慎を中心に、ここぞという局面で勝負強さを発揮できる点と、相手のFG成功率が42.5%というディフェンス力は健在だ。
昨季、広島ドラゴンフライズを頂点に導いたカイル・ミリングHCを招聘した群馬クレインサンダーズは、ホームでの開幕節に2連勝。しかし、京都ハンナリーズとの接戦で2連敗を喫するなど、攻防両面で噛み合わない時間帯がしばしば見られる。新戦力の藤井祐眞は好不調の波が少しあるものの、10月26日に古巣の川崎ブレイブサンダース戦で今季最多の18点を記録したのは、今後へのプラス材料だ。
B2から昇格した越谷アルファーズは、アルバルク東京と琉球ゴールデンキングス相手に開幕から4連敗を喫したが、ペイント内で58点を記録した島根スサノオマジック戦でB1初勝利。1勝8敗で最下位という状況から脱却するには、攻防両面でフィジカルに戦い続けることと、平均15.7本というターンオーバーの数を減らすことが必要になるだろう。
★東地区 順位表/10月31日現在
1 千葉ジェッツ8勝1敗(.889)
2 宇都宮ブレックス7勝2敗(.778)
3 群馬クレインサンダーズ5勝4敗(.556)
4 秋田ノーザンハピネッツ4勝5敗(.444)
5 仙台89ERS3勝6敗(.333)
6 レバンガ北海道2勝7敗(.222)
7 茨城ロボッツ2勝7敗(.222)
8 越谷アルファーズ1勝8敗(.111)
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