K-POPガールズグループTWICEの日本人メンバー3人からなるユニットMISAMOが安室奈美恵さんの曲「NEW LOOK」をカバーし、10月9日から配信されています。
同日にYouTubeでそのMVが公開されるとXを中心に各ファンからさまざまな反応が寄せられていました。
MISAMO版「NEW LOOK」は安室奈美恵への強いリスペクト
MISAMO(ミサモ)はTWICEの日本人メンバーMINA(ミナ)、SANA(サナ)、MOMO(モモ)の3人から成るユニットです。
韓国人メンバーと一緒にK-POPグループで活躍する日本人メンバーは今では当たり前になっていますが、2015年にTWICEとしてデビューした3人はその先駆けとも言える存在。昨年末には第74回NHK紅白歌合戦にもMISAMO単独として出演するなど、活動の幅を広げています。
そんなMISAMOが先日リリースしたのは2018年に引退した安室奈美恵さんの2008年の名曲「NEW LOOK」のカバー曲。「NEW LOOK」は1960年代に活躍したスプリームス(SUPREMES)の「Baby Love」をサンプリングした曲で、MVにも60年代や70年代のポップでレトロなファッションの可愛らしさが満載で、今なお安室ファンからの支持も熱い名曲です。
そんななかで今回16年の時を超えてMISAMOが発表した「NEW LOOK」。曲調も大きく変えているわけではなく、MVには冒頭に「16年前」と本家がリリースされた2008年について英語で表示されたり、コンセプトも本家をしっかりオマージュしていたりと、安室さんへの強いリスペクトが感じられる仕上がりになっています。
安室さんファンからは複雑な反応も
MISAMO版の「NEW LOOK」のMVが公開されるとXでは、「安室ちゃんもMISAMOも大好きだから嬉しい!」と歓喜するファンが続出しました。
その一方で長年の安室さんファンの中には、今回のカバーに少し複雑な心境を抱いていた人も多い様子です。これはカバーしたアーティストがMISAMOに限らず、誰であろうと「安室ちゃんの曲は安室ちゃんだけに歌っていてほしかった」と思うのは当然のことでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=FJWLj1-kGC0
しかし今回のカバーはMISAMOの3人が安室さんに憧れを抱き、影響を受けてきたことも背景にあります。またTWICEの所属事務所創設者でプロデューサーであるJ.Y. Park氏も「日本の女性アーティストで最も影響を受けたのが安室奈美恵さん」と発言しており、実はアジアでも絶大な人気を誇っていた安室奈美恵さんはK-POPとも深い関係性があることも事実です。
たとえば安室さんは今から13年前、日本では少女時代が有名になり始めた頃に日本国内では知名度が低かった韓国のガールズグループAFTERSCHOOLとコラボ曲「make it happen」を発表。
またBLACKPINKやaespaをはじめとした、現在のK-POPで主流となっている格好良くてクールな世界観や、R&B、HIP HOP調の音楽性が特徴的な「ガールクラッシュ」というジャンルを、かなり早い段階からやっていたのも安室奈美恵さんです。
このように安室さんがK-POP全体に与えた影響はかなり大きいと言われているのです。
「大ファンになった」若い世代が安室ちゃんと出会うきっかけにも
もちろん安室さんのファンが「こんなの『NEW LOOK』じゃない」、「安室ちゃんの曲なのに」と感じてしまうのも無理はない話です。しかし今回のカバーによって現役時代の安室さんを知らない若い世代が、MISAMOを通して安室さんの音楽との出会いを喜んでいる様子もうかがえます。
YouTubeではMISAMOの「NEW LOOK」のコメント欄には「本家を聴いてみたら今までよく知らなかったけど大ファンになった」、「改めて安室ちゃんの曲を聴き直した!」というコメントも相次いでいました。
MISAMOは今回のカバーについて「幼少期から大ファンだった安室奈美恵さんの、大好きな曲をカバーできてとても光栄」ともコメント。時代や背景が異なっても憧れを抱きながら夢を追い続けるMVが表現するストーリーは、安室さんに憧れて育った少女たちが今ガールズグループとして世界で羽ばたいている現在地とかなり重なる部分でもあるでしょう。
引退6年経っても生き続ける安室奈美恵の音楽
安室さんは引退時のライプで「これからも素敵な音楽にたくさん出会ってください」とファンにメッセージを残していました。
安室さんの唯一無二の音楽性や残してきた伝説が、令和になっても形を変えてこうして多くの人に届けられている。そう思うと安室さんファンも今回のMISAMOのリスペクト愛を感じる「NEW LOOK」を好意的に受け止められるのではないでしょうか。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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