10月30日(水) 2:20
総務省統計局が公表している家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果によると「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の実支出は28万2497円です。実際は生活環境によって変動しますが、30万円近い支出が発生することが分かります。
その一方で、65歳以降にもらえる年金は今回のケースでは月20万円のため、年金以外に収入や預貯金などの資産がなければ8万円から10万円近く赤字となってしまいます。赤字家計に陥らないようにするためには、現役時代にできる限り貯金を増やす、生涯現役で老後もできる限り働いて給料を得るなどの対策が必要です。
老後も外食や旅行もして余暇を楽しみたいと考える人は多いと思われますが、実際に支出がどのくらいかかるのか気になるところです。
総務省が公表している家計調査(家計収支編)の2023年調査によると、一般外食費は50歳から54歳は1万5910円、65歳から69歳までは1万398円となっていて、65歳以降は年代が上がるほど外食費は減る傾向です。
仮に毎週末2人合わせて「ランチ2000円、ディナー5000円」かかるとすると、1ヶ月あたり2万8000円となり、平均的な一般外食費に比べると2倍以上の支出が発生することが分かります。
また、旅行については「年1回の台湾旅行」と言っても、時期はもちろん個人旅行やツアー旅行、飛行機便の時間、ホテルのランクや場所などによって費用は大きく異なります。今回は、仮に大手旅行会社のJTBが提供するツアー旅行の中から以下の内容、条件で選択してみましょう。
●旅行区間:東京(羽田)―台北
●出発日:2024年11月11日(月)〜11月14日(木)の3泊4日
●部屋・人数:1部屋・大人2人
会社のホームページで上記内容を入れて検索すると、フリープランや「はじめての台北」「夫婦おとな旅」「こどもが楽しめる旅台北」など、さまざまなプランが出てきます。
例として「台北1都市滞在4日間 夫婦おとな旅台北」を選択すると、ツアー代金は大人1人概算で11万7900円、夫婦合わせて23万5780円かかります。食事は「朝3回/昼0回/夕1回」ついていますが、それ以外は自分たちで負担する必要があります(2024年10月18日時点)。
せっかく旅行をするからには、過度の節約はせずに食事や観光を楽しみたいと考えるのも自然でしょう。仮に全部で1人15万円かかり、毎年同規模の旅行をする場合は毎年30万円程度の費用を見込む必要があります。外食費と合わせると年間で63万6000円(月額5万3000円)支出が増える計算です。
いずれも月額で外食と旅行が5万3000円、生活費として仮に30万円かかる場合、合わせて35万3000円の支出となります。年金は2人合わせて20万円受け取るため、不足金額は約15万円です。
年金以外に収入やその他資産がなければ、老後も働いて15万円以上の給料を得る必要があります。退職金や預貯金があれば不足金額は抑えられるかもしれませんが、もはや「老後は年金だけに頼れる時代ではない」と考えると、理想のライフプランを叶えるために「生涯現役で仕事する」ことも検討したほうがいいかもしれません。
本記事では、老後に夫婦2人暮らしをする場合、外食と旅行をすると毎月いくら支出が発生するのか解説しました。
「自分は退職金や預貯金も充分あるから問題ない」と考えていても、不測の事態が発生して想定外の出費が重なる可能性もあります。家電製品や家具の故障、自分や家族のけがや病気による通院・入院リスクなどを考慮すると「これだけあれば大丈夫」という額は存在しないと理解し、油断せず対策していきましょう。
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
総務省統計局 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2023年
株式会社JTB 台湾旅行・ツアー
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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