10月30日(水) 4:30
児童手当は、子育て支援の一環として、対象となる児童を養育する保護者に対して支給されます。そして、2024年10月からは制度の一部が変更されており、変更のポイントとして次の3点が挙げられます。
1. 所得制限の撤廃
2. 支給期間を「中学生まで」から「高校生まで」に延長
3. 第3子以降の支給額を3万円に増額
そして、2024年10月以降に子ども1人当たりに支給される児童手当(月額)は次のとおりです。
・3歳未満:1万5000円
・3歳以上小学校修了前:1万円
・中学生~高校生:1万円
なお、上記全ての期間において、第3子以降は月額3万円が支給されます。
第3子への児童手当は月額3万円ですが、必ずしも第3子が高校生までの間ずっと3万円もらえるわけではありません。第3子に対して3万円もらえるのは、22歳の誕生日以後最初の3月31日までの間にある子のうち、親等の経済的負担のある子の合計人数が3人以上いる世帯です。
言い換えると、三兄弟の場合は長男が22歳の年度末までであれば、第3子に対して月額3万円が支給され、それ以降は第1子・第2子と同じ額になります。
それでは、同じ三兄弟において、長男と三男の年齢が8歳差の場合と、三兄弟が年子で長男と三男が2歳差の場合で、三男の児童手当がどれくらい違うか計算していきましょう。
なお、児童手当として受け取れる金額の総額は生年月日によって受給月数が変わるため前後しますが、今回は三男が3歳未満は36ヶ月(3年間)、3歳以上小学校修了前までは108ヶ月(9年間)、中学生と高校生は合わせて72ヶ月(6年間)の受給月数とし、長男及び次男が高校卒業後は大学生で親に扶養されているとします。
まず、長男と三男が8歳差(8学年差)の場合の三男の児童手当を計算します。三男の分で月額3万円の児童手当がもらえるのは、長男が22歳で大学四年生までですので、三男の学年でいうと中学2年生までになります。この場合、三男の児童手当の総額は次のとおりです。
・中学2年生まで:3万円×14年間×12ヶ月=504万円
・中学3年生~高校3年生:1万円×4年間×12ヶ月=48万円
・合計:552万円
続いて、長男と三男が2歳差(2学年差)の場合の三男の児童手当を計算します。三男が児童手当をもらえる最後の年の高校3年生の時に、長男は大学2年生、次男は大学1年生です。よって、この場合は三男の分としては児童手当をもらえる全期間で月額3万円が支給されます。そして、三男の児童手当の総額は次のとおりです。
・高校3年生まで:3万円×18年間×12ヶ月=648万円
子どもが3人以上いても、三男(第3子)が月額3万円をもらえるのには条件があります。そのため、今回の試算では長男と三男が8歳差と2歳差では総額で96万円の差が発生します。
「ずっと3万円じゃないの?」と感じる人もいるかもしれませんが、制度改正前よりも拡充されたことには変わりはありません。制度を正確に理解し、「こんなはずじゃなかった」とならないように気を付けましょう。
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
政府広報オンライン 2024年10月分から児童手当が大幅拡充!対象となるかたは必ず申請を
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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