10月30日(水) 9:00
今季、6月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」で、2年ぶりとなるツアー19勝目を挙げた石川遼。クラブセッティングを撮影すると、面白いギアを発見。その詳細をレポートしたい。
石川遼の14本全部見せますUTとアイアンの打痕がすご過ぎた【写真】
ドライバーは『パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆』(9.5度)を採用。シャフトは『ツアー AD GC-6S』を挿している。。何を重視して使用しているのか?
「ヘッドは昔からこの『トリプルダイヤ(◆◆◆)』の顔を長い期間使っています。フェースの“真っすぐ”の見え方がすごくきれいなんです。シャフトの“真っすぐ”とフェースの“真っすぐ”がきれいにそろって見えて構えやすい。ヘッド形状は、ディープ系が好きですね。あまりロフトがあるように見えないロフトが立って見えるヘッドがいい。ヘッドの重心距離は短い方が好きですね。ドライバーはクラブ長が長いので、なるべく重心距離は短いものを使いたいです」
『ツアー AD GC-6S』はシーズン途中で採用した新モデルだが、手応えはどうだろうか?
「これは振っていて、シャフト軸を中心に回るヘッド挙動がすごく少ない気がします。振ってもシャフト自体のブレが少ない。太くて硬い設計みたいですが、硬さはどこかが偏って硬いとは感じなくて振りやすいですね」
一方、アイアンは5I~PWでマッスルバック形状の『APEX MB ツアーバージョン』を採用。ハードなモデルに見えるが、実際はどうだろうか?
「これはけっこう顔がハードに見えるんです。顔はすごくきれいなんですが、打つと本当にスイングにフィットするんです。芯に当たりやすい。ミスヒットに強いタイプではないですが、キャビティバックで打ったような安心感があるんです。打てば打つほど、安心できます。アイアンはやっぱりヘッドが小さい方が好きで、操作性が高い方がいいです」
アイアンシャフトは『N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト』を使用。10年以上使う信頼の厚いモデルだ。
「『DG』の方がステップ(節)が1個分くらいヘッドの方に入っているんです。だから、『DG』は先端が硬い。アイアンで一回球がめくれて止められる弾道が大事だと米国ツアーで感じて、それで(先がしなって弾道がめくれ上がる球を打てる)『N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト』をメーカーの方にお願いしました。『DG』の方が球がめくれ上げるというよりも中弾道で低スピンで飛ぶ感じです。『N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト』は球が上がって着弾できるイメージで打てますね」
50・54度のウェッジでも『N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト』を使っているが、58度だけ『DG EX ツアーイシュー』を使用しているのは、なぜだろうか?
「『N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト』を58度に使うと、ヘッドがボールの下を抜けちゃうんです。アプローチは重い物体がボールにぶつかるようなイメージで打ちたい。58度は元々ロフトがあって、下を抜けやすいクラブ。『DG』だとヘッドが抜けないですね。それは短い距離でも同じなんです」
2年ぶりのツアー優勝を果たした石川遼。試行錯誤したスイング改造は固まりつつあるという。信頼するギアを使い、終盤戦でさらなる勝利を積み重ねられるかを注目したい。
【石川遼のクラブセッティング】
1W:パラダイム Ai SMOKE◆◆◆(9.5度に調整/ツアー AD GC-6S)
3W:パラダイム Ai SMOKE MAX(14度/ツアー AD GC-7X)
3・4U:APEX UW(19・23度/ツアー AD UB-8X・9X)
5I~PW:APEX MBツアーバージョン(N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト)
50・54度:JAWS RAW(N.S.PRO モーダス3 システム3 プロト )
58度:OPUS プロトタイプ(DG EX ツアーイシュー)
PT:オデッセイ プロタイプ iX #9HT プロトタイプ
BALL:CHROME TOUR プロト
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