10月30日(水) 5:20
国立大学の学費は、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によって規定されており、初年度は授業料だけでなく入学金も納付しなければなりません。
学部生の授業料年額は53万5800円、入学金は28万2000円で合計81万7800円となります。2年目以降は入学金がかからないため、年間の学費は53万5800円です。もし国立大学の医学部に通うことになれば、6年間で総額349万6800円かかります。
公立大学も国立大学と同規模のケースが多いですが、大学によっては入学金が地域内と地域外で分けられており、地域外在住が高額となることもあります。
例えば、京都府立医科大学医学科の場合、京都府内在住者は28万2000円ですが、京都府外在住だと49万3000円かかります。それ以外にも「学外実習費用等」として12万円を入学時に納付する必要があります。このように、大学によって具体的な金額は異なる可能性があるので要注意です。
私立大学は、国公立大学に比べると学費は高くなる傾向があります。例えば、慶應義塾大学の入学金や授業料、施設設備費などを含めた初年度納付金合計額は390万3350円、2年目以降は370万3250円となっています。
文部科学省が公表している、2023年度の私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額によると、医学部は507万9434円です。仮に年間平均450万円かかる場合、6年間で2700万円程度となります。国立大学の場合は約350万円のため、2400万円近く差があることが分かります。
大学によって具体的な金額は異なりますが、このように私立大学の医学部に通う場合は、総額数千万円かかるケースは珍しくありません。自宅外から通学する場合は一人暮らしをするためのマンションやアパートの家賃、生活費の仕送りなどの負担も発生します。
そのため「年収500万円の会社員家庭だと私立大学受験をすること自体が無謀ではないか」などと思う人もいるかもしれません。
確かに、国公立大学に通う場合に比べると費用負担の規模は大きくなり、学費の工面が難しいこともあるでしょう。ただ、大学によっては成績優秀と認められると、選考のうえで入学金や授業料などが免除されることもあります。該当する可能性がある場合は積極的に活用してみましょう。
本記事では医学部に通う場合、国公立と私立ではどのくらい学費が異なるのか、その他を含めた経済的負担の規模について解説しました。
私立大学は、医学部に限らず基本的に国公立と比べて学費が高いといっても過言ではないでしょう。大学生活に必要な費用を工面できるかどうかは、年収だけでなく預貯金の有無、自宅から通うのかどうかなどによっても状況が変化します。
教育費の工面が難しい場合は、奨学金などを活用する選択肢もありますが、多くの場合将来的に借金を抱えることになります。安易に借りると将来のライフプランや資金繰りに悪影響を与える可能性もあるため、慎重に検討することをおすすめします。
e-Gov法令検索 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省 令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
■関連記事
【大学無償化】「恩恵を受けられる」のは一部のみ? 年収を理由に補助を受けられない場合はどうすればいい?