第37回東京国際映画祭(TIFF)が10月28日に開幕し、オープニング作品『十一人の賊軍』のワールドプレミア上映がピカデリー2で開催。白石和彌監督、山田孝之、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、一ノ瀬颯、野村周平、小柳亮太、本山力らが舞台挨拶に登壇し、作品への熱い想いを語った。
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「仁義なき戦い」シリーズを手掛けた脚本家の笠原和夫による幻のプロットを、60年の時を経て「孤狼の血」シリーズの白石監督が映画化した本作。戊辰戦争の最中に起きた歴史的事件を背景に、砦を守る任に就いた罪⼈たちの葛藤を描く。
最初に主演の山田が「どうも、山田孝之です。私が山田孝之です」とおどけて挨拶をして会場の笑いを取る。その後「映画、楽しんでください。いろんなことが起きて、いろんな人たち、いろんな視点があるんですけども、 視点を変えると本当に感じ方とか変わってくる作品で、時代劇ですけども、現代に置き換えても同じようなことを感じ取れると思います」とアピール。
続いて、鞘師が「今回、映画に初めて出演させていただいたんですけれども、先輩たちにたくさん支えていただきながら頑張りました。ですが、作品のなかでは戦う皆さんを支えていけるように頑張っております」と挨拶。
佐久本は「撮影時は本当にこんな光輝くところに立てるなんて想像できなかったんですけど、みんなでここに立ててることがすごく嬉しいです」と感激しきりだ。
千原は「みなさんラッキーやわ。今日は年に3回ある、異様に足が長い日。きれいな俺を見れました」と、仰天発言をすると、会場から笑いが起きる。
今回、「二枚目」という役柄を演じた一ノ瀬は、僕は2枚目という役を演じさせていただいたのですが、やはりこの役名を名乗るのがすごく辛かった思い出があります」と苦笑い。
元力士の小柳は「新潟出身で、新潟が映画の舞台になるということですごく嬉しかったですし、その映画に携わらせていただけたということで、一生分の運を使ったような気もするんですけど、皆さんとすごい映画を作ったので、ぜひ楽しんで観ていただければなと思います」と胸を張る。
本山は「毎日がこれでもかっていうぐらい過酷なんです。でもなんか、このメンバーでやれたことがすごく楽しくて。それが画面から出てくればうれしいかなと思います」と喜びを口にすると、野村も「皆さんが楽しんで帰っていただけるよう、全員が楽しく話してくださると思います。楽しんで帰ってください」と笑顔でアピール。
白石監督は、本作のプロットをKindleで見つけ、東映に映画化の話を持っていったと言う。「笠原さんはいろんな脚本を書かれていますが、名もなき若者たちや、紛争、戦争で名もなき人たちが犠牲になっていくようなことを多く書かれています。そのなかでどう生きるか、どういう生き方をするかということが明確にプロットに残っていて、それをこの時代に描いて、いろんな人に観てもらいたかったです」と本作に込めた想いを語った。
また、最後に白石監督は「この作品は活劇エンターテインメントとして作りましたので、まずはそこを心から楽しんでいただけるといいなと。侍最後の時代に、名もなきの者たちの最後の叫びと生き様を見届けていただければうれしいなと思います」と言って締めくくった。
取材・文/山崎伸子
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