「怖いわ気持ち悪いわで目が離せませんでした」『スパイダー/増殖』伊藤潤二、小島秀夫らから絶賛コメントが続々

過去20年間におけるフランスホラー映画で初登場第1位を記録した『スパイダー/増殖』/[c]2023 MY BOX FILMS – TANDEM All Rights Reserved

「怖いわ気持ち悪いわで目が離せませんでした」『スパイダー/増殖』伊藤潤二、小島秀夫らから絶賛コメントが続々

10月29日(火) 18:00

過去20年間におけるフランスホラー映画で初登場第1位を記録した毒グモパニックホラー『スパイダー/増殖』(11月1日公開)。このたび、各界著名人からの推奨コメントおよび冒頭映像が解禁となった。
【写真を見る】中東アジアの砂漠地帯と思われる場所でクモの恐怖が始まっていく冒頭映像公開

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本作は、主人公カレブ(テオ・クリスティーヌ)がある珍しい毒グモを手に入れるところから始まるパニックホラー。ところが、そのクモが脱走してしまい、カレブたちが住むアパートで繁殖、増大し、次々と住民たちに襲いかかっていく…。監督は、1989年生まれの新鋭、セヴァスチャン・ヴァニセック。本作でデビューをはたしたヴァニセックは、第49回セザール賞最優秀新人監督賞と最優秀視覚効果賞にノミネート、第56回シッチェス・ファンタスティック映画祭審査員賞を受賞した。

今回、各界の著名人からコメントが続々到着。世界的に評価されている漫画「富江」、「うずまき」などを手がける漫画家の伊藤潤二をはじめ、映画好きでも知られるゲームクリエイターの小島秀夫、ガールズバンド「SCANDAL」のRINA、お笑いコンビ「春とヒコーキ」の土岡哲朗、ホラー映画に造詣の深い映画評論、文筆家の氏家譲寿(ナマニク)らがコメントを寄せている。伊藤は「最初から最後まで怖いわ気持ち悪いわで目が離せませんでした。それにしてもあのクモは一体なんだったのだろう?」と語った。氏家は「クモに対する“虫唾”と異人に対する“理解”の対比に強烈な皮肉を感じる、知的さも感じる凶悪かつ知的なクモ映画に感服だ」とコメント。また小島は「この手の“蜘蛛パニック”映画も沢山観てきた。しかし、このフランス産”スパイダー“はヤバい。猛烈にキモい。造形も大きさも動きも、その繁殖能力にもゾッとする。鑑賞中、身体中がずっと痒かった」と本作の恐怖を振り返っている。


あわせて冒頭映像も解禁された。中東アジアの砂漠地帯と思われる場所で、ターバンを巻いた男たちが登場。車に積まれた縄、ガスボンベ、さらには刃物を荷台から降ろし、ある目的地へと足を運んでいく。無数の岩をどかし、穴を見つけるとガスを注入。穴のなかを覗いた瞬間、毒クモが猛スピードで襲いかかり、男は悶え苦しむことに。そんな男を周りの男たちは助けるかと思いきや…。後にこの毒グモが、主人公の住むアパートで凶暴化、増殖し、惨劇へと繋がっていくのだった。

ただでさえ嫌悪感をもたらすことの多いクモだが、本作でその恐怖はどのように増幅しているのだろうか?怖くて気持ち悪くて目が離せない本作をぜひ劇場で体験してほしい。

■<著名人コメント>

●伊藤潤二(漫画家)

「あの放射状の姿だけで嫌なのに、猛スピードで走り回り、猛毒と異常な増殖で無敵の厄災を撒き散らすクモの群れ!アパートの薄暗さがさらに恐怖を増長させる。最初から最後まで怖いわ気持ち悪いわで目が離せませんでした。それにしてもあのクモは一体なんだったのだろう?」

●氏家譲寿(ナマニク)(映画評論、文筆家)

「踏むと子グモが散らばる!放っておくとデカくなる!噛まれると苗床にされる!クモが好きでも嫌いでも“虫唾”が迸る。だが、異なる人種の人々が協力、友情と築きながら絶望的な状況に立ち向かう姿に胸が沸く。クモに対する“虫唾”と異人に対する“理解”の対比に強烈な皮肉を感じる、知的さも感じる凶悪かつ知的なクモ映画に感服だ」

●小島秀夫(ゲームクリエイター)

「蜘蛛が益虫であることは知っているし、子どもの頃から、スパイダーマンも好きだった。この手の“蜘蛛パニック”映画も沢山観てきた。しかし、このフランス産”スパイダー“はヤバい。猛烈にキモい。造形も大きさも動きも、その繁殖能力にもゾッとする。鑑賞中、身体中がずっと痒かった。パリ・オリンピック開催後のいま観ると、風刺が効いていて、さらに痒い。猛毒性の蜘蛛映画だ」

●サイプレス上野(ラッパー)

「はたして自分があの状況に陥ったら家族や仲間を助けられるか…でも逃げたい!日本のことわざに習い、なるべく蜘蛛は駆除しないようにしてますが、ちょっと考えちゃいました(可哀想だけど)同じ様に団地で暮らし、全く同じ様な飼育部屋を作り上げてた友だちの兄貴を思い出しつつ、やっぱHIPHOPがハマるよな〜ってブチ上がりました!」

●陣野俊史(フランス文化研究者、作家)

「増殖しつづけるクモはたしかに怖い。だが画面を見続けながら考えていたのは、外からやってくる存在を、私たちは理不尽に怖がっていないか、ということ。そして、眼をみはるのは、警察の非情さと対比される、郊外の、老朽化した団地に住む者たちの、希望の虹のような連帯と愛情だ。フランスの郊外(バンリュー)映画の系譜に、またひとつ、気になる映画が加わった」

●SCANDAL RINA(ミュージシャン)

「クモの巣の真ん中に閉じ込められたような絶望感と閉鎖感。不規則なタイミングで飛び込んでくる映像に新鮮な恐ろしさがあった。シンプルにビッグサイズのクモの群れ怖すぎる。絶体絶命、取り扱い注意のパニックホラー。真っ暗な映画館でぜひ」

●土岡哲朗(お笑い芸人)

「蜘蛛の怖さを的確にホラーにし過ぎている!あのゾッとしてしまう蜘蛛のビジュアルと動き方。それがそのままホラーになると気づいてしまった監督。こんなに怖いものを容赦なく見せてくるなんて、人でなし…。主人公は、自分の暮らすアパートへの思いが強い青年。しかし、そこに危険な蜘蛛を持ち込んでしまいパニックに。大切な場所に閉じこもることはもうできなくなった彼は、変われるのか」

●中田兼介(クモ研究者、京都女子大学教授)

「数あるクモ映画のなかで本作は、素のクモで勝負しているのがポイント。遺伝子操作や化学物質でモンスター化するのでなく、(少し成長しますが)超巨大化とも無縁です。能力が盛られている面はあれど、歩き方などリアルで、なによりやたらと人間を敵視しているわけではないのが素晴らしい(現実のクモも人間に対して積極的に攻撃はしません)。クモたちは、彼ら彼女らを疎む人間に反応しただけで、ある意味被害者です。警察から不当に扱われる主人公たちと重なります。クモは裏の主人公かも」

文/鈴木レイヤ


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