10月29日(火) 4:00
贈与税は、1年で受け取った財産の合計金額が110万円を超えていると課される税金です。車を購入してもらった場合も同様で、購入費のうち110万円を超えた部分に対して贈与税が発生します。
もし、贈与税が課されるのに申告をしていないと、あとから追加で税金が課される可能性があります。贈与税を支払うのは受け取った側なので、車を購入してもらったときに受領書で金額を確認しておきましょう。
今回は、1年間でほかに贈与がない状態で、430万円のセレナを購入してもらったときにかかる税額を計算しましょう。430万円から110万円を引いた320万円に対して税金が課されます。
贈与税は受贈者の年齢や誰から受け取ったかで税率が異なり、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人が両親や祖父母といった直系尊属から贈られた場合は特例税率です。国税庁によれば、課税金額が320万円のときの特例税率は15%、控除額は10万円のため、今回のケースだと贈与税額は38万円が課されます。
両親から子ども名義の車を子どもに渡すと贈与税の課税対象ですが、名義を変えたり現金で支援したりすることで課税対象でなくなる可能性があります。
車を購入する際、名義を両親のどちらかにしておくと、子どもが車を使用してもあくまで親から借りている形になるため贈与税はかかりません。ローンの場合も同様で、親の名義でローンを組み、車も親名義なら贈与税の対象外です。
しかし、名義が異なると保険に加入できないのではと気になる方もいるでしょう。基本的に保険の契約者と車を使用する方が同じでなくても問題ないとされています。おもに車に乗る方の「記名被保険者」の名前を子どもの名前にしておけば、親名義の保険を子どもが利用可能です。
ただし、補償範囲などが変わる可能性があるので、保険会社に確認しておきましょう。なお、親が車の所有者の場合であれば自分で保険に加入することができるケースもあります。
もうひとつの方法は、車を現物で受け取るのではなく、非課税範囲内で購入資金の援助として現金をもらうことです。1年で110万円を超えなければ贈与税は課されません。
ただし、贈与税は1年に受け取った贈与の合計額を基に課されます。親から受け取ったお金以外の贈与があると、結果として110万円を超える可能性があるため、受け取る金額は忘れずに記帳しておきましょう。
また、110万円以内の贈与に税金はかかりませんが、あらかじめ毎年お金をもらうことが決まっている場合は、定期贈与とみなされ課税対象です。国税庁では、贈与する人とされる人の間で事前に毎年基礎控除額内で受け渡しすることが決められていれば、その約束をした年に総額に対して贈与税が課されると述べています。
例えば、毎年90万円ずつを5年間にわたって受け取る約束をした場合、約束をした年に450万円分の贈与があったとして課税されるでしょう。
そのため、購入費用は定期的にお金をもらうのではなく、必要になった時点で110万円以内の範囲で支援してもらいましょう。残額は孫の教育費用やほかの費用で支援してもらう選択肢もあります。
車を購入してもらった場合は、贈与税の課税対象です。購入金額や誰から受け取ったかなどに応じて税率が変わるため、確認しておきましょう。もしほかに贈与がない状態で、430万円のセレナを両親に買ってもらったとすると、贈与税は38万円が課税されます。
贈与税がかからないようにする方法は、名義を親にするか、110万円以内の現金で受け取ることです。全額を負担してもらいたいのか、自分でも購入資金を出せるのかで、どの方法にするか決めましょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合 毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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