10月29日(火) 2:00
国税庁長官官房企画課の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、平均給与を年齢別に見た場合、30~34歳は男女計で431万円ということです。ボーナスを2ヶ月分とし、額面収入の80%を手取り額として計算すると、1ヶ月の手取り額は約24万6300円となります。
一方、単身世帯34歳以下の1ヶ月の消費支出については、総務省統計局の「2023年家計調査(家計収支編)」によると、17万281円ということです。詳しい内訳については表1のようになっています。
表1
1世帯の1ヶ月あたりの消費支出 | |
---|---|
食費 | 3万8666円 |
住居費 | 3万6954円 |
水道光熱費 | 1万119円 |
家具・家事用品費 | 4482円 |
被服・履物費 | 6561円 |
保健医療費 | 5019円 |
交通・通信費 | 2万1403円 |
教育費 | 9円 |
教養娯楽費 | 2万2342円 |
その他の消費支出 | 2万4725円 |
出典:総務省統計局「2023年家計調査(家計収支編)」を基に筆者作成
手取り額約24万6300円から消費支出17万281円を差し引いて、約7万6000円が自由に使えるお金になると考えられます。教養娯楽費はすでに差し引かれているため、全額貯金に回すことも可能でしょう。
保険マンモス株式会社が2022年に実施したアンケート調査によると、実家暮らしをしている人のうち、実家に入れているお金の平均金額は4万257円ということです。うち、20~30歳の平均額は3万3623円で、最高額は15万円、最低額は5000円です。
手取り約24万6300円のうち3万3623円を実家に入れたとすると、約21万2677円が残ります。
そこから、一人暮らしの場合と同じ金額の「被服・履物費」「保健医療費」「交通・通信費」「教養娯楽費」「その他の消費支出」を差し引いた場合、21万2677円-8万50円=約13万3000円が自由に使えるお金として残る可能性があります。
30歳前半の平均収入だと、一人暮らしの場合と比べて、6万円近く自由に使えるお金が多い計算です。
自由に使えるお金に6万円近くの差があるとなると、一人暮らしと実家暮らしでは多少金銭感覚にズレが生じてもおかしくないかもしれません。
そのような2人が理解し合うためには、お互いの生活状況や収支を把握したうえで、相手の金銭感覚を尊重することが大切です。
例えば「デート代は自由に使えるお金が多い方がおごるもの」といった考えはやめて、基本的に割り勘にすることや、特別な日のプレゼントは予算を決めて贈り合うことなどを実践していきましょう。
一人暮らしと実家住まいのカップルだと金銭感覚が合わず、悩まれることもあるかもしれません。調査の結果を基に計算したところ、同じ収入でも一人暮らしと実家住まいでは月6万円近く自由に使えるお金に違いが出る場合もあるようです。
金銭感覚が合わないと感じたときは、まずはお互いの収支を把握し、相手の金銭感覚を尊重するよう心がけましょう。そのうえで、お互いが歩み寄る姿勢を見せていくことが理解し合うポイントであると考えられます。
国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査 II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与 〔年齢階層別の平均給与〕(20ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2023年 表番号2 男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出
保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート調査(PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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