10月29日(火) 6:00
「プレーしている全員がそこを目指して頑張っていると思うので、1年の集大成として、自分自身の野球人生の中の1つとしても大きなものかなと思います」
10月25日(日本時間、以下同)、ドジャース・大谷翔平選手(30)が、ワールドシリーズ前日の会見で、意気込みを語った。スポーツ紙記者は言う。
「大谷選手が花巻東高校時代に書いた人生設計シートには、これまでメジャー入団、WBC日本代表MVPなど有言実行してきた目標が数多くあります。ワールドシリーズ優勝は26歳での達成を目指し、同じ年に結婚も目標としていましたから、もし世界一になれば、年齢こそ違えど、超人的な人生設計達成率といえるでしょう」
妻・真美子さんも大谷の夢実現のために奔走していた。21日、ドジャースは優勝決定シリーズ第6戦でニューヨーク・メッツに10対5で勝利しリーグ優勝。真美子さんも本拠地ドジャー・スタジアムへ応援に訪れ、スイートルームで観戦していた。
デニムシャツを着た真美子さんは優勝決定後、ユニホームを着た愛犬のデコピンを左腕で抱きかかえ、右手にグラスを持ち、関係者たちと祝杯をあげた。周囲の人々がシャンパンを飲むなかで、真美子さんが飲んでいたドリンクはなぜか茶色だった。前出のスポーツ紙記者は続ける。
「真美子さんの前にあるテーブルに置かれていたのは、緑色のラベルが特徴的な『お~いお茶』のペットボトルでした。同製品の販売元である伊藤園は今年4月に大谷選手とグローバルアンバサダー契約を締結。契約の中には《『お~いお茶』飲み放題のサポートを受けられる》といった項目もあるといいます」
とはいえ、リーグ優勝の祝杯にお茶――。真美子さんは下戸なのだろうか。実業団時代の知人はこう証言する。
「真美子さんは決してお酒が飲めない体質ではありません。仲間で集まって食事をするときはお酒を飲んでテンションがあがることもありました。酔っぱらうほどまで飲みはしませんが……」
真美子さんがいま、“禁酒”しているのには大事な理由があると語るのは、在米ジャーナリストだ。
「最近は試合終了後、大谷選手が急ぎ足でロッカールームを後にする場面がよく目撃されています。それは愛車の運転を真美子さんに任せているからなのです。毎試合、相当ヒートアップするので、愛妻とのドライブで一刻も早くクールダウンしたいのでしょう。真美子さんとの会話と、彼女が選んだセンス溢れるプレイリストを聴きながら癒されているはずです」
メジャーリーグ評論家の福島良一さんもこう語る。
「メジャーリーグの選手たちの奥さんが球場に足を運び、夫の送り迎えをしたりすることはよくあります。真美子さんも夫人会でその流儀を習っていると思います。世界一をかけた大一番ですので、大谷選手の気持ちを少しでもリラックスさせようという気持ちで日々臨んでいるのでしょう」
■世界一への第1戦を前に、実兄はロスへ
ワールドシリーズには“魔物”が棲むという。
「歴代のワールドシリーズでは、まさかのミスによって負けてしまうことが数多くあります。そのぐらい、どんな一流選手といえども緊張していると思います。ドジャースは、今回の対戦相手・ヤンキースと1941年にワールドシリーズで初対戦しました。
運命の第4戦、4対3とリードした最終回、ヤンキースの打者を三振に打ち取り、ゲームセットとなるはずが、キャッチャーがボールを後ろにそらし、逆転負け。これが尾を引き、世界一を逃したのです。ワールドシリーズ史上に残るエラーでした。
その後も、4回対戦して、4回ともドジャースは負けました。1955年に6度目の対戦にして、初めて勝ったのですが、対戦成績は3勝8敗と相性はよくありません」(前出・福島さん)
前号の本誌では、真美子さんは世界一に向け、試合前の勝負メシとして特製チリコンカン(豆煮込み)を作っていると報じた。
真美子さんが世界一のために動いているのは、試合前&試合後だけではない。肝心の本番のため、ある準備を進めていた――。前出の在米ジャーナリストは言う。
「最近配信された地元のネット番組でコメンテーターたちが“大谷翔平選手と真美子夫人の家族も、それぞれ応援に来ますよね”と話していたそうです」
大谷は冒頭のワールドシリーズ前日会見で、彼の家族の応援について聞かれ、こう答えていた。
「今のところは子供がどのくらい来るかわからないので。両親はもちろん来ると思いますけど、何人というのはわからないですね」
前出のスポーツ紙記者は言う。
「大谷選手は3きょうだいで、6歳年上の兄には8歳の男の子、2歳年上の姉には3歳の女の子がいます。もし甥っ子や姪っ子まで観戦に来たとしたら、心強い応援団になるでしょうね」
真美子さんも少しでも大谷選手の力になれるならと、応援のために家族を呼び寄せているようだ。
「彼女の呼びかけに反応するように、お兄さんはワールドシリーズ第1戦を前に、ロスに向かったと聞きました。表向きは“商談”のようですが……。彼女の両親も加わるのではないでしょうか」(前出・在米ジャーナリスト)
前出の福島さんも言う。
「ドジャースは昔から“ファミリー球団”として有名。選手の家族たちもチームの一員と考えているぐらい大事にしています。水原一平氏の解雇という衝撃的な開幕から始まった今シーズンの大谷選手が大活躍できたのは、サポートに努める真美子さんがいたから。そんな彼女の奮闘に応えるためにも、“世界一”へ燃えていることでしょう」
26日の初戦は逆転サヨナラ勝ち。27日の第2戦も勝利したものの、大谷は左肩を亜脱臼し、現状では今後の出場には慎重な判断が要求される。大谷が登場した際には、両家が勢揃いした応援スタンドへ向け、大谷は「世界一のホームラン」を放つことを願うばかりだ。