10月29日(火) 2:30
児童手当から給食費や保育料が差し引かれるケースは、実際に存在します。ただ、児童手当を給食費や保育料の支払いに充てるルールは少し複雑です。
給食費を払い忘れたとしても、自治体が勝手に児童手当から給食費を差し引いて手当を減額することはできません。給食費を自治体の判断で強制的に差し引くことは法律で認められていないのです。
児童手当から給食費を差し引くには、児童手当の受給者である保護者からの申し出が必要です。例えば、何度も給食費の支払期日を忘れてしまうという場合には、自ら申し出ることで、児童手当から給食費を差し引いてもらえれば安心でしょう。また、給食費以外にも、学用品の購入費用なども申し出によって児童手当から差し引くことができます。
保育料については、給食費の申し出徴収と事情が異なります。自治体は、保護者の申し出がなくても児童手当から滞納した保育料を徴収できます。
保育料の未払いがある場合、保護者の申し出がなくても児童手当をその支払いに充てることが法律で認められているのです。これを「特別徴収」と呼びますが、この特別徴収をする場合、自治体は対象者に事前に通知しなければなりません。この措置はあくまで保育料に限定されており、給食費や学用品の購入費用などには適用されません。
このように、給食費を滞納しても、勝手に児童手当が減額されるわけではありません。ただし、保育料は保護者の申し出がなくても児童手当から差し引かれるケースがあるため、滞納には注意しましょう。
金銭的に苦しいため支払いが難しくて給食費や保育料を滞納している場合、まずは自治体に相談しましょう。分割払いなどの柔軟な支払い方法を提案してくれる場合もあります。
単純に支払日をうっかり忘れてしまう場合は、スマートフォンのリマインダー機能などを活用するなど工夫すると良いでしょう。口座振替に対応している自治体であれば、口座振替を申し込んだほうが手間は省けます。
児童手当から給食費の徴収が認められるのは、保護者が申し出をした場合のみです。勝手に児童手当が減額されるということはありません。
ただ、何度も給食費の支払いを忘れて滞納してしまう場合、自治体に申し出て、児童手当から支払うことを検討するのも良いでしょう。申し出の方法は自治体によって異なるため、事前にルールを確認してくださいね。
こども家庭庁 児童手当Q&A
e-Gov法令検索 児童手当法
執筆者:山田麻耶
FP2級
■関連記事
職場で「カップ焼きそば」を食べるのって迷惑ですか? 安くて節約になるのですが、先日注意されました…