10月29日(火) 3:30
携帯電話・スマホで電話を受けると、通常は、発信者の電話番号が表示(通知)されます。固定電話で「発信者情報通知サービス」を利用している場合も同様です。
これが、知っている相手であれば、相手も誰からの電話なのか知ることができて互いに安心して話せますが、業者に問い合わせをする等といった場合は、あまりこちらの番号を知られたくありませんよね。もし、悪徳業者であった場合、「使える電話番号」を教えてしまうようなものですから。
自分の電話番号を知られたくない場合には、番号を通知されないように設定ができます。通常非通知は申し込みによりにできます。その通話に限って非通知にしたい場合は、相手の電話番号の前に「184」を付け発信します。
通常非通知設定済みで、この通話に限って相手に知らせたい場合、相手の電話番号の前に「186」を付けると非通知が解除され電話番号を知らせます。また、スマホの場合、個別に非通知の設定もできます。
非通知でかけてくるということは、「電話番号を知られたくない」場合です。無視して削除しても問題ないでしょう。
通常の営業電話は、お客さまからかけてもらえるよう、電話番号を表示しています。しかし、なかには自分の電話番号を知られたくない事業者が、非通知設定にしていることがあります。
電話番号非通知の電話は出ないようにしていたAさんですが、うっかりと電話に出てしまったことがあります。すると、自動音声による説明が始まりました。「こちらは○○電力××です。ご利用の・・」この時点で詐欺だと気づき、電話を切りました。
非通知設定や国際電話を利用して、国や大手通信会社、電力会社などをかたり、「料金が未納になっている」等との自動音声の説明からオペレーターに接続するように誘導し、払わないと裁判になる等と脅し、お金を払わせる詐欺が横行しています。
他にも、非通知設定に出てしまったら、なんと警察官をかたる詐欺であるという場合もあります。
Aさんが住んでいる地域は、「○○電力」の管轄内ではないため、その非通知電話は詐欺だと気づきましたが、これが利用している電力会社であれば、疑わずに聞いてしまったかもしれません。
日本全国で発生した特殊詐欺の、2023年の合計被害金額は約452億円ですが、2024年6月以降、被害額が急増しています。
出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ令和6年8月末における特殊詐 欺の認知・検挙状況等について
特殊詐欺の多くが、1本の電話から始まります。
国際電話、非通知、電話番号表示の偽装と、あの手この手で正体を隠して電話をつなげ、だまそうとしてきます。どれだけ自分が気を付けていても、防ぎきれないことも出てきます。話すとだまされるので、話さないようにすることが被害を防ぐポイントです。
詐欺被害に遭わないためには、番号非通知を着信拒否に設定しておくのも1つの方法です。キャリアによる拒否設定(対応していないキャリアもあります)、端末の機能により拒否設定等を利用して設定してみましょう。
固定電話の場合、有料になりますが、番号表示サービス、非通知拒否サービスを利用しましょう。非通知でかかってきた電話に、「番号を表示しておかけ直しください」とアナウンスが流れます(呼び出し音はなりません)。必要な方はご利用の電話会社に詳細を確認してみましょう。
消費者庁大手通信関連会社の名称をかたり、自動音声や国際電話番号等を用いて架空の利用料金請求を行う事業者に関する注意喚起(令和6年6月11日)
総務省情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室上手にネットと付き合おう!〜安心・安全なインターネット利用ガイド〜電話(通話)でのトラブル回避策2
警察庁令和6年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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