10月28日(月) 10:10
最初に、ふりかけご飯にかかるコストと栄養価について解説します。
農林水産省の資料によると、茶わん1杯のご飯にかかるコストは約28円です。ふりかけは1袋30g入りで約100円前後のため、1回の使用量を約3gとすれば、ふりかけ1食分は10円程度になります。ふりかけご飯1食分にかかるコストは約38円と、非常に経済的であることが分かります。
コストは安く済むものの、毎日ふりかけご飯だけを食べる場合は、栄養面が気になるところです。一般的なふりかけには、カルシウム・ビタミンB1・食物繊維などの栄養素が含まれているケースがあるものの、少量です。そのため、ふりかけのみで食事全体の栄養バランスを補うのは、難しいかもしれません。
ふりかけの成分表を見ても、エネルギーはそれほど高くなく、タンパク質や脂質、炭水化物に偏っている傾向にあります。商品によっては、栄養素が強化されているものもありますが、基本的に米やふりかけだけでビタミンやミネラル、食物繊維を十分に摂取するのは難しいでしょう。
ふりかけご飯は節約に効果的ですが、単品で栄養バランスを保つのは難しいため、ほかの食材と組み合わせて食べることが重要です。節約しながら栄養バランスも考慮する場合は、以下の方法を取り入れるとよいかもしれません。
炊飯器でご飯を多めに炊いておき、冷凍保存することで食費をおさえることが可能です。冷凍しておけばいつでも手軽にお米を食べられ、ふりかけ以外にも、さまざまなトッピングやおかずを追加しやすくなります。
野菜や肉、豆腐など、栄養価の高い食材を安く買えるタイミングでまとめ買いして冷凍や冷蔵で長期保存することで、日々の食費をおさえながら栄養バランスのよい食事を取りやすくなります。
まとめ買いした食材で料理を作り、多く炊いて冷凍保存しておいたご飯と一緒に食べることで、「ふりかけご飯だけ」の食事よりも栄養が取れるでしょう。
ふりかけご飯だけの食事に栄養を追加したい場合は、手軽に合わせられる食材を用意するのがおすすめです。
例えば卵は、スーパーやコンビニなどで手に入りやすい食材であるうえに、栄養も豊富です。ふりかけご飯に目玉焼きや卵焼きを添えるだけで、タンパク質と脂質を補えます。
また、納豆やサバ缶など常備できる食材を活用することで、手軽に栄養を追加できるでしょう。
ふりかけご飯にかかるコストは、1杯約38円と低価格であるため節約に効果的です。ふりかけは、一人暮らしをしている学生や社会人にとって、便利な食材といえるでしょう。
しかし、ふりかけご飯だけで十分な栄養を摂取することは難しく、栄養バランスの偏りが心配されます。長期間にわたって、ふりかけご飯だけの食事を続けると、ビタミンやミネラルが不足する可能性が高く、健康に影響を及ぼすリスクもあります。
ふりかけを選ぶ際に、栄養強化された商品を選択するのも悪くはないのですが、できるだけほかの食材やおかずを組み合わせる工夫が必要です。自炊や食材のまとめ買いをしながら栄養バランスを意識することで、コストをおさえつつ健康的な食生活が実現できるでしょう。
農林水産省 食料・農業・農村政策審議会食糧部会 資料(令和6年7月30日開催) 資料一覧 参考資料3 米をめぐる関係資料 米をめぐる状況について 茶わん1杯のお米の値段(80ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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