10月28日(月) 4:00
入浴中は血液が体表に集まりやすく、胃腸の運動が止まるといわれています。そのため食べてすぐに入浴すると、食べ物の消化吸収が途中でストップし、消化不良を起こすおそれがあると考えられているのです。一般財団法人日本健康開発財団によると、食事から入浴までは、最低でも30分〜1時間空けることが推奨されています。
ほかにも、食べてすぐの入浴には、以下のようなデメリットがあります。
食後は血液が脳から胃腸に集まるといわれます。そのため、食後にすぐ入浴すると、脳の血流低下により食事性低血圧を引き起こす可能性があります。場合によっては、入浴中の失神に発展するおそれもあるようです。
食後に胃腸へ集まった血液が入浴によって再び体表へ移ると、急激な血流の動きが心臓に負担をかけるといわれています。
ここからは、食後に限らず、入浴する際の気を付けるポイントを紹介します。
身体が冷えた状態でいきなり熱いお風呂に入ると、急激な血圧の変化で失神や不整脈などといった健康被害が生じる「ヒートショック」を起こす可能性があります。とくに冬場は外気とお風呂の温度差が大きいため、事前にかけ湯をして身体の温度を調整しましょう。
室温が20度以下のときに水温41度以上のお風呂に入ると、ヒートショックのリスクが高まるといわれています。とくに湯船に10分以上浸かる方は、体温が38度前後まであがり、最悪の場合は意識障害を起こすことがあるようです。
お風呂の温度は41度以下かつ10分以内の入浴にするか、長風呂が好きな方は38度前後のぬるま湯に浸かるようにしましょう。
入浴による血圧の変化は、温度だけでなく体内の水分にも影響があるといわれています。お酒やカフェインを摂取して体内の水分が減った状態だと、入浴中や入浴後に脱水症状を起こすかもしれません。入浴は発汗を促すため、充分な水分補給を心がけましょう。
健康を意識してお風呂に入る場合には、水温を少し下げることがおすすめです。身体への負担を減らすだけでなく、ガス代の節約にもつながる可能性があります。
東京ガスの「ウルトラ省エネブック」によると、以下表1のような方法を実践することで、毎日の入浴にかかるコストを節約できる可能性があるそうです。
表1
かかる費用 | 節約効果 | |
---|---|---|
湯船の設定温度を下げる |
40度:72.5円/日
42度:79.7円/日 |
7.2円/日 |
追いだき機能と給湯を使い分ける |
追いだき:82.6円/日
給湯:119.6円/日 |
37円/日 |
浴槽の湯量を少なくする |
180リットル:119.6円/日
200L:132.9円/日 |
13.3円/日 |
ふたを閉める |
ふたあり:17.4円/日
ふたなし:28.5円/日 |
11.1円/日 |
シャワー時間を1分減らす |
5分:132.9円/日
6分:159.5円/日 |
26.6円/日 |
シャワーの設定温度を下げる |
40度80.5円/日
42度88.6円/日 |
8.1円/日 |
※東京ガス「ウルトラ省エネブック」より筆者作成
ほかにも、節水シャワーヘッドや保温性能が高い浴槽に変えることでも節約につながる可能性があります。
入浴中は血液が体表に集まりやすく、胃腸の運動が止まるといわれています。そのため食べてすぐに入浴すると、食べ物の消化吸収が途中でストップし、消化不良を起こすおそれがあると考えられています。そのため、食事から入浴までは、最低でも30分〜1時間空けるとよいでしょう。
また、健康を意識してお風呂に入る場合には、水温を少し下げることがおすすめです。身体への負担を減らすだけでなく、ガス代の節約にもつながる可能性があります。
一般財団法人日本健康開発財団 Q7 なぜ、食後すぐの入浴はだめなの?
東京ガス ウルトラ省エネブック バスルーム・トイレを使う -1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
■関連記事
エアコンの「電気代」と灯油ストーブの「灯油代」、1ヶ月でいくらかかる?