【写真】並んで食事をする歩(岡田将生)と静(中井貴一)
岡田将生と中井貴一が“クセ強ナース”を演じる痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第2話が10月24日に放送され、“働き方改革”に逆行し、超過勤務、ワンオペを続ける外科部長・神保(要潤)と彼のチームの若手医師たちの様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
■クセ強敏腕ナースコンビが医療現場を改革
手術の際、医師を補助し一定の医療行為を実施できる「NP(=ナース・プラクティショナー)」の那須田歩(岡田将生)と謎多きスーパーナースの九鬼静(中井貴一)は、トラベルナース(人手不足の病院や施設で期間限定で働く看護師)。第2シーズンとなる今回の彼らの勤務先は、地域医療の中核を長年担ってきた基幹病院「西東京総合病院」。同病院では、新院長・薬師丸(山崎育三郎)が「病院を根っこから変える」と、働き方改革を中心とした組織変革に次々と着手。その事が“患者ファースト”とは言えない状況を生み出し、歩と静はこのカリスマ新院長に新たな闘いを挑んでいく。
■ 超過勤務やワンオペ状態を改めない外科部長・神保
西東京総合病院に、労働基準監督署から時間外労働の是正勧告が届いた。院長の薬師丸は、特に超過勤務が目立つ外科について外科部長の神保に改善を促した。が、神保は「患者の命がかかっているのに、定時で帰る医師がどこにいますか?」と聞く耳を持たない。更に「前院長の太田黒は現場の事情を理解していた」と、薬師丸が排除した太田黒を引き合いに出して薬師丸の神経を逆撫でした。
同病院では、働き方改革の1つとして“チーム主治医制”をとっていた。患者の治療方針や情報をチームで共有して各医師の負担を減らす方法だが、自他ともに認める優秀な医師の神保はチームの若い医師たちの意見も聞かず、診察も任せず、全て自分1人で行っていた。神保に見下されている若い医師たちは、常に顔色を伺い、簡単な治療でさえ彼の意見を聞かないと判断できなくなっていた。
■神保がいないと自ら動けない若い医師…
そんなある日、患者の容体が急変。神保を呼びに行こうとする若い医師・小山(渡辺大知)を、歩は「小山が処置をすればいい」と言って止めた。「でも、神保先生の患者だから…」と戸惑う小山を、「アンタも主治医の1人だろ!」と歩は一喝。その場で立ちつくす小山に、歩は「いいです。じゃあ俺がやります」と言い、「“NGチューブ挿入します”、そう指示してください。次は…」と、自分が行う処置について告げて、小山から指示が出た形をとった。歩はあくまでも「NP」なので、そこに医師がいるなら決定権は医師にあるからだ。小山はプライドが傷つきながらも歩に従うしかなかった…。
■神保の仮眠時間は…
30分の仮眠から目覚めた神保は、彼に相談に来たが仮眠時間の為に待たせていた患者を呼べと、チームの医師たちに告げた。すると、その患者はもう帰ったと言う。そして、この日退院の患者に挨拶(あいさつ)に行こうとすると、昨日退院したと告げられた。「さっきまで部屋にいたじゃないか」と言う神保に戸惑いの表情を浮かべる医師たち。おかしな空気に気付いた神保が「今日は何曜日だ?」と尋ねると、何と丸1日が経っていた。
神保は信じられない状況に「何で起こさなかった!私がいないと、この病院は回らないんだぞ!」と激高するが、静はそんな彼に「ご安心ください。きちんと回っておりました」と穏やかな笑顔と口調で告げるのだった。神保が“行方不明”になっている間、小山を中心にチームの医師たちは力を合わせて急患にも対応し、問題無く1日を終えていた。
■優秀な医師の神保も「バカドクター」…!?
普段、睡眠時間は毎日平均2時間、栄養補給と30分ほどの仮眠で過ごしている神保は、この3日ほど論文の完成に追われて寝ていなかった。そのせいで集中力を欠いていて、先日の手術の際、患部にガーゼを置き忘れている事に気付かず施術を終えるという初歩的なミスを犯していた。
小山たちがそれを取り除き大事には至らなかったが、こんな状態で他の手術などさせるわけにはいかない、と静は判断。彼は、神保が仮眠の際に使っている点滴用の栄養パックをコッソリ睡眠薬入りの物にすり替えていたのだ。手に取った物を確かめもせずにそのまま使用するとは、やはり注意力も散漫になっていたのかもしれない。
「手術をさせるわけにはいかなかった」と告げた静に「私を誰だと思ってるんだ!」と声を荒げる神保。そんな彼に歩は「この病院で間違いなく一番優秀な外科医です。でも1人で何でも出来るわけじゃない」と言い、「他の外科医から仕事を奪ったら人が育ちません」と、神保のワンオペ状態に苦言を呈した。
静は、神保の事を「患者ファーストの高い技術を持つ医者」と称賛しながらも、「自分の体の限界も知らずに患者の命を危険にさらすのは“バカドクター”」と叱責。そして、言い返そうとした神保に、今日は顔色が良い、と笑顔で伝えた。静は、「医師の健康管理までナースの仕事なのか?」と尋ねた歩に「患者さんの為になる事は、全てナースの仕事です」と答えるのだった。
■考えを改めた神保。だが…
以来、神保はチームの医師たちに任せられるところは任せて、定時退勤をするようになった。が、その矢先、薬師丸は「神保先生ほどの優秀な方が“働き方改革”に囚われているのはもったいない」と、彼を人手不足の病院に飛ばしてしまった。
薬師丸は悪人ではなくクリーンな人物だ。自分の理想に沿って改革を進めているが、自分とは志が違う者や自分のやり方の障害になりそうな者は、即切り捨ててしまう。まず、前院長・太田黒の息がかかった医師と看護師を全てクビにして、その太田黒の手術を薬師丸に内緒で行った医師・神山(風間俊介)の退職も引き止めなかった。そして今回は、残業をやめず、チーム主治医制にも従わなかった神保を追いやってしまった。
薬師丸は「この病院を患者さんの救いの場とする為に、みんなで力を合わせて改革しましょう」と言っているが、優秀な医者でも自分が気に入らなければ排除する事は、患者の為になっているとは言い難い。そんな薬師丸のやり方を、静は疑問に思っているようだ。薬師丸も、神山に太田黒の手術をけしかけたりして、“和を乱す”静に警戒心を抱いている様子。この2人の対立は、今後さらに激化しそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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