10月28日(月) 4:30
運転免許証は、マイナ免許証に切り替えなければならない義務はありません。2025年の一体化では、運転免許証とマイナンバーカードをひも付けられるようになるだけで、マイナ保険証のように一本化するわけではないからです。そのため、以下のような3つの選択肢が選べます。
・マイナ免許証のみを使用して従来の運転免許証を破棄・返納する
・マイナ免許証と従来の運転免許証を併用する
・マイナンバーカードにひも付けることはせず、従来の運転免許証のみを使用する
従来の運転免許証からマイナ免許証にすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを3点紹介します。
マイナンバーカードと運転免許証が別々の場合、住所や氏名を変更した際には市区町村役場でマイナンバーカードの変更手続きを行い、免許センターなどで運転免許証の変更手続きを行わなければなりませんでした。
しかし、マイナ免許証では市区町村役場で手続きを行うだけでよくなります。忙しい人にとっては助かるメリットです。
マイナ免許証を持つと、運転免許更新手数料が安くなります。現在の更新手数料は2500円ですが、マイナ免許証導入後は、従来の免許証での手数料が350円の値上げにより2850円になります。一方で、マイナ免許証での手数料は400円の値下げにより2100円です。
ただし、マイナ免許証と従来の免許証を併用する場合は、更新手数料は2950円と従来の免許証のみを持つ場合よりも高くなります。
免許更新の際には、更新講習を受けなければなりません。しかし、無事故・無違反の「優良運転者」と軽微な違反のみの「一般運転者」がマイナ免許証を持つと、オンラインで更新講習を受けられるようになります。
ただし、視力検査や実際の免許情報の更新作業は免許センターなどで行う必要があります。
マイナ免許証にはデメリットもあります。デメリットを2点紹介します。
現在の運転免許証の再発行は、運転免許センターで手続きをした場合は即日交付されます。しかし、マイナンバーカードを紛失すると、再発行に約1ヶ月半かかります。その間は運転ができません。
すぐに運転免許証が必要な場合は、従来の運転免許証の再発行手続きを行うことで、最短即日で受け取ることも可能です。
現在の運転免許証には、有効期限が大きく表示されています。しかしマイナ免許証は、マイナンバーカードの有効期限は記載されているものの、運転免許証の有効期限は記載されていません。
現在、運転免許の情報を読み取れるアプリが開発されているようです。しかし、アプリが開発されたとしても、すぐに確認できない点は不便かもしれません。
マイナ免許証は、マイナ保険証のように切り替えが義務づけられているわけではありません。マイナ免許証にするほか、従来の免許証を使用する、マイナ免許証と従来の免許証を併用する選択肢もあります。
マイナ免許証には運転免許更新の手数料が安くなるなどのメリットはあるものの、デメリットもあります。自分にとって必要なメリットを考えて、いずれかの方法を選択しましょう。
警察庁 「道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令案」等に対する意見の募集について
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士
■関連記事
「マイナンバーカード」は、結局作らなくて正解? 今からでも作るべき?