10月27日(日) 5:10
前提として、証券会社でも銀行でもどちらでも新NISAの口座は開設できます。
ただし、NISA口座は1人につき1口座しか作れないため「証券会社でも銀行でもNISA口座を持つ」ということはできません。証券会社と銀行のそれぞれのメリットを知ったうえで、口座を開設する金融機関を選ぶことが大切です。
証券会社と銀行は、それぞれサービスの特徴が異なります。ここでは、新NISAに関して証券会社と銀行のサービスの違いを紹介します。
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠がありますが、どちらでも投資信託と呼ばれる金融商品を購入して非課税で運用できます。ただし、口座を開く金融機関や証券会社によって、購入できる金融商品の銘柄のラインアップが異なります。
まず、証券会社でも銀行でも、目当ての投資信託がラインアップされていることが重要です。ラインアップにないものは購入できません。また、今は目当てのものが決まっていたとしても、今後別の銘柄を購入したくなる可能性もあるため、少しでもラインアップが豊富なところを選びたいものです。
証券会社と銀行の投資信託のラインアップを比べると、証券会社のほうが有利です。特に大手ネット証券会社では200本を超える金融商品を取りそろえていますが、銀行では大手でも10~20本前後に限られます。
証券会社や銀行によって、新NISAのつみたて投資枠で積み立てられる、最低積立金額に違いがあります。
銀行では1回の積み立てで1000円以上、高いところでは1万円ほどの投資額が必要です。一方、証券会社では最低100円から投資できるところも少なくありません。投資に回せるお金が少ない初心者でも、証券会社なら柔軟に投資額を決定できるでしょう。
将来的に、新NISAの成長投資枠などを利用して個別株に投資したい場合、選択肢は証券会社一択になります。
なぜなら、銀行のNISA口座では株式の売買ができず、個別株の取引をするなら証券会社でNISA口座を開設する必要があるためです。
新NISAのつみたて投資枠を活用する場合、毎月コツコツと一定額を積み立てることになります。
口座を開設している金融機関にポイントサービスがあれば、ポイントサービスによって投資額の一部がポイント還元され、長期的に投資をするだけでポイントによるリターンが期待できます。
例えば、ポイントの還元率が1.0%で、毎月3万円(年間36万円)を積み立てている場合、ポイントだけで年間実質3600円のリターンを受けることができる計算になります。
このようなポイント投資に対応している事業者の多くは、証券会社です。ポイ活と資産形成を同時に進めたい場合は、ネット証券が有力な選択肢になるでしょう。
証券会社と銀行のどちらで新NISAの口座を開設するかに最適解はありませんが、ラインアップが多く、100円から投資でき、個別株も購入対象となり、ポイント還元にも対応してくれる証券会社のおすすめ度が高いです。
特に、将来的にNISA以外の投資に挑戦するなら、さまざまな投資商品を扱っている証券会社での口座開設が良いでしょう。
ただ、銀行にもメリットはあります。まず、行きつけの銀行なら、新NISAについて不明点があれば相談しやすいでしょう。また、対面型の銀行であれば、ネットでの手続きに不安な人でもNISA口座の開設やその後の金融商品の購入がスムーズにできるでしょう。
銀行にもよりますが、新NISA口座を開設することで現金がプレゼントされるなど、独自のお得なキャンペーンを実施している銀行もあります。
対面で相談して安心感を得たい人やネットでの取引に不安を感じる人なら、銀行での口座開設も選択肢に入るでしょう。
新NISAを始めるにあたっては証券会社や銀行など金融機関での口座開設が必要ですが、銀行と比較して、証券会社には、金融商品のラインアップが豊富であったり、最低投資額が低かったり、あるいは個別株など投資信託以外も購入できたりする点で魅力があります。オンライン取引に不安がないなら、証券会社で口座開設をするほうがおすすめといえるでしょう。
一方、銀行は担当者に対面で不安点を相談できたり、ネットに詳しくなくても口座開設できたりする魅力があります。
証券会社と銀行のどちらで口座開設をするかで悩んだときは、「1人で取引銘柄を判断してネット取引できるか」を判断基準にすると良いでしょう。
金融庁 NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー