10月26日(土) 2:00
一般財団法人労務行政研究所が実施した「東証プライム上場企業の2024年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、2024年夏の平均賞与は84万6021円であり、支給月数は2.64ヶ月、対前年同期比で4.6%の増加という結果でした。
また、内閣官房内閣人事局によると2024年6月期末に支給される国家公務員の賞与の平均額は約65万9400円と公表されています。昨年と比べると約2万2100円(約3.5%)の増加です。
株式会社MS-Japanによる「【2024年夏】管理部門・士業のボーナス実態調査」では、ボーナスの金額帯に関する結果を公表しています。それによれば、「20万円以上~40万円未満」が19.1%と最も高く、次点が「40万円以上~60万円未満」14.6%、「120万円以上」が13.4%と続きます。
同様にベンナビ労働問題(株式会社アシロ)による「2024年夏のボーナスの支給と、その使い道について」の調査でも「20万円~40万円未満」が26.0%と最も高く、「40万円〜60万円未満」が21.9%、「10万円〜20万円未満」が14.6%という結果でした。
民間企業のボーナス平均額として「84万6021円」という数値が出ているようですが、実際に受給された価格帯は「20万円以上~40万円未満」や「40万円以上~60万円未満」が多いのが現状です。
100万円以上ボーナスが出た人の割合が高く、なかにはかなり高額なボーナスを得た人もいるため、平均値として算出すると高い金額が出ていると考えられます。
複数回答ですが、支給された人のボーナスの使い道を調査した結果を2媒体からご紹介します。
ベンナビ労働問題(株式会社アシロ)による「2024年夏のボーナスの支給と、その使い道について」のアンケート調査によると、ボーナスの使い道として最も多い回答が「生活費の補填」で、43.4%を占めています。次点が貯金で24.4%です。
また、株式会社MS-Japanによる「【2024年夏】管理部門・士業のボーナス実態調査」では、ボーナスの使い道の1位が「貯金」で20・30代は62.1%、40代は51.6%、50代以上は56.7% という結果でした。
ソニー損害保険株式会社の「お小遣いの実態やお小遣いが増減した要因に関する調査」でも、ボーナスの使い道として最も多いのが「預金」で42.4%、次点で「生活費の補填」が29.5%と続きます。
また同調査では、83.1%が「商品・サービスなどが高いと感じるようになった」と回答しているとおり、物価上昇が家計へ大きな影響を及ぼしていることが予測できます。
「ボーナス」は社会情勢や会社の業績により金額が変動するため、ボーナスがもらえることを前提とした家計管理は危険です。そのため、毎月の給与で補えるような家計に近づけることが大切です。
特に住宅ローンの返済をボーナス払いにしている場合、ボーナス支給がなくて支払えないと、最悪の場合は住宅を手放すことになります。ボーナス返済をせずに支払えるようにすることが大切です。そのためにも、月々の給与で生活できるよう、まずは固定費などを抑えていきましょう。
また、近年はボーナスを貯金ではなく投資へまわす人が増えています。株式会社MS-Japanによる「【2024年夏】管理部門・士業のボーナス実態調査」では、20・30代は「投資・運用」に使っている割合が他の世代よりも高いという結果が報告されています。
なかでも税制優遇を受けられるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)が投資初心者に選ばれているようです。
さらに、自分のスキルを上げる自己投資もおすすめです。資格を取得することで、昇進や転職の際に年収アップにつながる可能性があります。
毎月足りなくなる家計の赤字をボーナスで補填している家庭は少なくありません。
まずは、毎月の支出を確認してボーナスで補填しなくても済むような生活を目指しましょう。上昇傾向にあるボーナスを生活費に充てるだけでなく、ボーナスの有効活用を目指してみませんか。
一般財団法人労務行政研究所東証プライム上場企業の2024年 夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
内閣官房内閣人事局令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
株式会社MS-Japan【2024年夏】管理部門・士業のボーナス実態調査(PR TIMES)
ベンナビ労働問題(株式会社アシロ)2024年夏のボーナスの支給と、その使い道について
ソニー損害保険株式会社お小遣いの実態やお小遣いが増減した要因に関する調査(PR TIMES)
株式会社帝国データバンク2024年夏季賞与の動向アンケート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー