10月26日(土) 4:20
年収別に購入できる物件の価格目安を知りたい場合に「年収倍率」が参考になります。住宅金融支援機構の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、全体融資利用者の主要指標での年収倍率は6.7倍です。つまり年収400万円であれば2680万円ほどを目安に物件を探せるかもしれません。
なお借り入れに当たっては、年収に占めるすべての借り入れの年間合計返済額の割合(総返済負担率)に基準が定められているケースがあります。
住宅金融支援機構によると、フラット35の場合、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下となるよう借入金を設定する必要があります。そのため、総借入額だけでなく、返済額も考慮してローンの金額を検討しなければなりません。
また、マイホーム購入の際には、必ずというわけではありませんが、頭金を用意することが一般的です。頭金があると住宅ローンの審査に通りやすくなり、毎月の返済負担も軽減できます。
頭金の目安についても、住宅金融支援機構の同調査の「手持ち金」と住宅購入費に対する割合を参考にできます。全体融資利用者の平均手持ち金は496万6000円で、割合は12.7%ですから、2680万円の物件を購入したければ、340万3600円を頭金の目安にできるでしょう。
物件価格2680万円や頭金340万3600円は、あくまでも平均値を参考にした目安であり、実際にマイホームの購入で必要な資金は各家庭により異なります。一般的な目安を参考にしつつ、自身のケースで年収や貯蓄額に応じてシミュレーションすることも大切です。
例えばマイホーム購入後にも、引っ越し費用や家具家電の購入でまとまった費用が必要になるでしょう。住宅ローンの毎月の返済が生活を圧迫しないようにしなければなりません。住宅ローンの返済に加えて、町内会費や、修繕費用などの住宅の維持費用も発生します。
収入や貯蓄をすべて住宅ローンに充てるわけにはいきません。子どもの養育費や教育費、老後資金の準備などもあるため、余裕を持った計画が重要です。安易に住宅ローンを限度額まで借りたり、平均値を基に購入額を決めたりすると、家計が圧迫されたり将来や予期せぬ支出に対応できなくなったりするリスクがあります。
マイホーム購入のために貯金をするには、以下のような方法を実践できるでしょう。
・支出を減らしてお金を貯める
限られた年収の中で貯金をするには、支出を減らして浮いた分を貯める方法があります。例えば家賃・水道光熱費・通信費・保険料・車の維持費など、固定費を見直して削ることができれば、毎月一定の金額を貯金に回せるでしょう。
・マイホーム専用の口座に貯める
まとめて同じ口座に貯金していると、ほかの用途でお金を使ってしまうおそれがあります。マイホーム専用の口座を作って、いくら貯まっているかすぐに分かるように管理するとよいでしょう。
・天引き貯金で確実に貯める
給料から自動的に天引きして積み立てる天引き貯金を活用すると、毎月の貯金を確実に行えます。会社が導入していれば、一定額まで利子等が非課税となる「財形住宅貯蓄」を活用して住宅資金を効率的に貯められます。
フラット35利用者のデータを基に、年収400万円の世帯が購入できる物件価格を「年収倍率」から計算してみたところ2680万円になりました。「手持ち金」と住宅購入費に対する割合から、頭金は340万3600円を目安にできます。
とはいえ子どもの養育費や教育費、老後資金の準備など、ほかにも必要な資金はあるため、マイホーム購入のためだけに収入や貯蓄を使い果たしてしまうことがないよう注意が必要です。
自身のケースでシミュレーションして、住宅ローンの返済に充てられる金額を基に物件選びができるでしょう。頭金や初期費用などを計算したら、余裕を持った貯金額を設定します。
限られた年収で貯金をするために、支出を減らしたりマイホーム専用の口座を作ったりできます。また天引き貯金で確実に貯められる仕組みを作れると効率的です。
住宅金融支援機構 2023年度 フラット35利用者調査 II 主要指標 2023年度フラット35 全体融資利用者の主要指標(18ページ)
住宅金融支援機構 フラット35 よくある質問 Q年収による借入額などの制限はありますか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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