10月26日(土) 12:41
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第12戦Sky New Try Ladies Cup(一日競技)◇25日◇グリッサンドゴルフクラブ(千葉県)◇6429ヤード・パー72>
ツアールーキーがうれしい初優勝だ。20歳の竹原美悠が1イーグル・6バーディの「64」で後続を圧倒。4打差をつける大量リードで影も踏ませなかった。
1番パー5でバーディ発進。さらに2つ伸ばして迎えた7番パー3ではミラクルを起こした。173ヤードで7番ウッドを振った一打は、そのままカップに吸い込まれる“ダンクホールインワン”。「打った瞬間からピンに行っているな~と思って見ていたら、カランと聞こえました。カップがえぐれないで、めっちゃ奇麗な状態で入っていたので『ウソ?』って感じでした」。人生2度目、試合では初の一撃に、旅行券30万円(提供:日本電計株式会社)のボーナスもゲットした。
8番からも連続バーディで、前半は「29」。大量リードを奪ったが、後半は逃げる立場となり緊張もあった。「そこは自分のボールだけに集中して頑張りました。(後続が)不安だったけれど、来るだろうと思って攻めていました」。パーを並べ続けると、18番ではティショットを浮島に丁寧に運び、手前ピンの手前につけてバーディ締め。ここでやっと勝利を確信し、頬を緩めた。
今季使用しているキャロウェイのボール『CHROME TOUR トリプルトラック』も優勝を後押しした。「コントロールがしやくすて、方向も出て、距離も出るところが好きです。ボールの軸がブレないので風にも強い。トリプルトラックはその軸に沿ってラインが描いてあるので、転がりが良くなります。スピンも効きますね」。
2003年生まれの20歳。熊本・熊本国府高出身で、いまも地元をベースに活動している。昨年まではアマチュアとしてレギュラーツアーの主催者推薦選考会(マンデートーナメント)にも出場していた。3度目の挑戦だった昨年のプロテストは2次予選で敗退した。
「何かを変えたいと思ったんです」。同年に挑戦した台湾ツアーのQTを突破してツアーメンバー入りを果たし、これをきっかけにプロ宣言をする。それと同時に、ツアー外競技マイナビ ネクストヒロインツアーにも登録。転戦の日々がスタートした。
最初の方は母が帯同していたというが、いまでは一人で転戦を行っている。「経験はすごく生きていると思います。台湾人とかアジアの選手と回って、異様な雰囲気のなかで空気感も全然違う。そのなかで自分のプレーをしなければいけない。メンタルが強くなった」。台湾の来季シード獲得には厳しい状況に立たされてはいるものの、異国の地で学べることは多い。今年のプロテストは1次で道が閉ざされたが、「台湾ツアーがあるから」と気持ちを切り替えて、目標にまい進している。
プロになり、台湾ツアーやマイナビネクストヒロインツアーに出場するようになったことで、スコアへの意識も大きく変わった。「予選カットもあるし、あとバーディを何個取らないといけない、とか。アマチュアとは変わっていまはお金もかかっているので(笑)」。最終ホールのボギーで順位が10個下がり、賞金が大きく減ったこともあった。この1年間で意識も大きく変化した。
今季レギュラーツアー7勝の竹田麗央らを擁する“ダイヤモンド世代”のひとり。「意識はします。みんな頑張っているのでわたしも頑張らないと、って。テレビを見るたびに刺激をもらっています。自分もそこに立ちたいですね」。いまは足元を固めて力を蓄えるとき。そして目標や夢を成就させたい。(文・笠井あかり)
※マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は「将来有望な若手女子ゴルファーに真剣勝負の機会を提供して大きく羽ばたいてもらいたい」という思いから2019年に開始。24年は14試合が予定。出場選手はポイントランキング、前回大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などにより決められる。