10月26日(土) 4:00
並行輸入品とは、正規代理店ではない第三者が海外で購入したものを日本へ輸入し、販売している商品です。
ブランド品は、通常であれば正規代理店が仕入れます。正規代理店ではない第三者による並行輸入は、1970年代から法的に認められているため、違法行為ではありません。
ただし、特許庁の「Q2.商標権にかかる並行輸入」に記載されている内容によれば、あくまで「真正商品の並行輸入」であれば、商標権者から商標の使用許諾を得ていなくとも商標権の侵害ではないとされています。
つまり、並行輸入自体は違法ではないものの、今回のように偽物であった場合には、違法ということになってしまいます。
並行輸入品を買うメリットとして、「価格」の安さが挙げられます。正規販売はいくつかのディーラーや会社を通すため、それぞれに仲介料がかかります。しかし、並行輸入品は直接購入・販売しているため、仲介料がかからず、その分安価であるとされています。
メリットもある並行輸入品ですが、今回のケースのように偽物を購入してしまう可能性もあり、注意が必要です。
仕入れた販売者や会社が意図的に偽物を販売しているわけでなくても、並行輸入は正規のルートで仕入れているわけではないため、海外の買付業者に対応してもらっているなかで偽物が混在する可能性もあるのです。
さらに正規代理店は、保証やアフターサービスが充実しており、万が一のときに修理や交換対応を受けられます。しかし、並行輸入品にはそのようなサービスを受けることが基本的にはできないとされています。
多くのフリマサービスでは、ブランド品の偽物・正規品と確信のない商品は出品を禁止しています。
例えば、メルカリのWebサイトにも「事務局で禁止出品物に該当する商品を確認した」「お客さまの報告を受け禁止出品物に該当する可能性があると判断した」場合には、適宜商品削除や出品者の利用制限、取引キャンセル等の措置を取ると記載されています。
まずは取引メッセージで、出品者に偽物・非正規品の可能性があると判断した根拠と返品や返金など対応に関する要望を伝えましょう。出品者の合意が得られれば、返品対応を受けられる可能性があります。
万が一24時間経っても連絡が取れない場合や、取引メッセージが利用できない場合には、一度メルカリのお問い合わせ窓口に連絡しましょう。
なお、取引の完了後になると、メルカリ事務局では希望に添ったサポートが受けられない場合があります。届いた商品が「偽物かな?」と思った場合には、取引完了する前に対応してください。
フリマアプリ・サイトでトラブルにあわないために、次のことに気をつけてみてください。
■レビューをチェックする
出品者のレビューをみたときに評価が悪い場合やレビューのない場合は、注意が必要です。
■価格があまりにも安い場合は注意
正規品の価格や相場と比較して、あまりにも低価格の場合にも偽物の可能性があります。
■商品説明が少ない
商品情報があまり記載されていない場合も注意しましょう。保証書がない場合や商品の細部まで確認できないぼやけた写真なども要注意です。
並行輸入品は、比較的手頃な価格で商品が手に入るため、利用価値があると考えられます。しかし、正規なルートで仕入れた商品ではないため、リスクもあるといえるでしょう。価格が安い分、商品の見極めは自分できちんと行って、トラブルのない買い物をしましょう。
特許庁Q2. 商標権にかかる並行輸入
メルカリ ヘルプセンター商品に偽物・非正規品の疑いがある
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー