2025年1月7日(火)に現体制終了というMAD MEDiCiNEの発表はライブアイドルシーンを騒然とさせた。さらに同時発表された新会社『MAD’S iNK(マッズ・インク)』の設立。これまでの名古屋に加えて、東京からも展開していくという同社の狙いはなんだろうか?MAD MEDiCiNEのプロデューサーであり、株式会社MAD’S iNK代表取締役・堤俊輔氏に話を訊いた。
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ーーまずはMAD MEDiCiNE(以下、マドメド)の現体制終了について。これはメンバー個人の今後を見据えての決断ということなんですよね。
堤:
はい。メンバー1人ひとりがこの先、未来に向かってより輝くために話し合って出した結論なんです。各メンバーがXに想いを書いているので、それを読んでいただければそれぞれの気持ちがわかるのではないかと。ただ、やっぱりファンとしては複雑な想いやいろいろ考えてしまうところもあると思うんです。でもわかってほしいのは、僕もマドメドのメンバーも真剣にこれからのことを考えています。現体制は終了してしまうけど、新しい“始まり”と思ってほしいです。今後のことを考えての決断なので。悲しいだろうけど、“楽しみ”とも思ってもらいたいですね。
ーーあくまで、次に進むためにリセットするとでもいうか。
堤:
そこを含めて、来年2025年1月7日のマドメド現体制ラストライブ、そしてそこへ向かっていく今後の活動を見届けてもらえれば、きっとわかってもらえると思っています。プロデューサーとして言えることは、前向きな現体制終了であり、今後の活動に期待していてください、ということですね。メンバーそれぞれの進路については1月7日以降に発表していきます。
ーーそして、10月17日付で新事務所『株式会社MAD’S iNK』を設立しました。会社設立の意図と経緯を教えてください。
堤:
まず、ムスコノプロダクションという会社について触れておきますね。今まで公には言ってなかったんですけど、ムスコノプロダクションは僕が代表を務める会社ですが、プロデューサーがもう1人います。僕が昔やっていたバンドのメンバーで、彼と2人で作った会社なんです。その中で僕がプロデュースしているのがマドメド、相方がプロデュースしているのがADOMIOとnyanpuriなんです。マドメドはもともと、(唯一)むにともう1人のメンバーでやっていた“三ヶ月の命”というユニットがあって。そこから1人がマドメド、むにが“君とkissする5秒前”という、ダーク系と王道系グループに分かれたんですね。それでダークの方、マドメドを僕が見て、王道を相方が見ていたんです。そこからの流れで同じ会社にプロデューサーが2人いて、僕が見ているグループと相方が見ているグループが所属している形で経営してきました。今回の件はそこが分かれただけなんです。2人ともプロデューサーとしての方針や得意分野もそれぞれ違うし、運営体制自体もまったく別でやっていたので、分かれた方が会社としてもやりやすいんじゃないか、ということになりました。お互いのいいところをもっと会社に反映させていくためですね。
ーーなるほど。そして、MAD’S iNKはなぜ東京にオフィスを構えたのでしょうか?
堤:
名古屋から出ていく、みたいに誤解している人もいるんですけど、“名古屋に加えて、新たに東京も拠点にしていきます”ということなんですよ。“マドメドのラストライブは、なぜ東京なんですか?”と訊かれることがあったんですけど、マドメドは全国で活動しているグループなので、最後はやはり東京でやるのが自然ですよね。東京は日本の首都ですし、やっぱりグループの数もイベントの数も1番多い。これまで名古屋から活動してきて感じたのは、東京にも拠点を置いた方が動きやすいということ。なので、今までは名古屋だけでアーティストを育ててきましたが、今後、MAD’S iNKの所属アーティストは東京からも育てていきます。そこで、“マザリは東京へ行くのか?”という声があるんですけど、マザリは名古屋拠点でやっていきます。ですので、名古屋からも今後所属アーティストが出ていく形になります。
ーーつまりMAD’S iNKはグループに見合った場所、東京と名古屋の2拠点から活動していくわけですね。
堤:
ええ。なので、イベントに関しても東京と名古屋、両方で<MAD’S iNK主催>をやっていきたいと考えています。活動拠点で会社を分けたわけではなく、プロデューサーで会社が分かれたんです。ムスコノプロダクションはこの先も僕の会社であることに変わりはないんですけど、名古屋で相方がプロデュースしていく会社になります。それを踏まえて新レーベル『Dummy factory』と『Binky company』が発足したと発表がありました。対してMAD’S iNKは東京と名古屋の両方から僕がプロデュースしていく会社、という形ですね。喧嘩分かれではないので、この先“MAD’S iNK×ムスコノプロダクション”という合同主催のイベントもやっていけたらなと考えています。
ーーXでのファンの反応を見ると、マドメドのメンバーもマザリについても“東京と名古屋、拠点はどっちになるんだ?”という声がすごく多いですよね。
堤:
地域拠点を良い悪いで捉えないでほしいです。あくまで“拠点”ということだけなので、どちらであろうと東名阪はもちろん、北海道も沖縄も全国いろんなところへ行くし、海外にも行きたいです。今は所属がマドメド、マザリ、ちちゃめどの3組ですけど、これからもっとグループが増えていったら、MAD’S iNKのグループだけで全国ツアーを回りたいです。それに事務所内でグループを超えたコラボとかも。所属メンバーの人数が増えたら、運動会をやりたいですね。50人くらいに増えたら、それで1曲作りたいです。50人の歌割りで(笑)。
ーーそれはすごいことになりそう(笑)。MAD’S iNKとして、プロデューサーとして、今後どのようなグループ、アーティストを育てていきたいですか?
堤:
いろんなグループを作っていきたいと考えています。ただ事務所名も“MAD=狂う”なんで、コンセプトに特化したものをやっていきたいです。清純派のアイドルは、僕にはできないので。“inc”じゃなくて“iNK”なのは僕がタトゥーが好きだから、っていうのもありますしね(笑)。だから、好き嫌いは分かれるかもしれないけど、特化した先にいるお客さんをつけていきたいですね。マザリだったらバンギャとか、メタラーとか。マザリはありがたいことに本当に反響が大きくて。ライブでは、気合いの入ったバンギャの人が最前で回転ヘドバンとかをしてるんですよ。そういう普通のアイドルをやっていたら出会うことのないお客さんたちと出会っていきたい。そうしたらもっと幅が広がっていきますよね。いち地下アイドルにとどまっていたら面白くないですから。
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