私にとって、娘の「ママのごはんが1番おいしい」という言葉は何よりのご褒美。おかげで料理の腕はぐんぐん上がりました。しかし夫は今朝も朝食を拒否し、出社します。せっかく作ったお弁当も、いらないと言い置いていってしまいました。夫にもしっかり食事をとってほしいのですが……。モヤモヤしながら娘を幼稚園に送ると、「完璧なママ」と自称するママ友から手作りのケーキをもらいました。「ご主人にもあげてね」と3つ……。夫が大好きなチーズケーキだったので、喜ぶだろうな〜と思っていたのですがーー。
不審なおすそわけ
そのママ友は、SNSでレシピを紹介しています。たしかにフォロワーも多くファンもたくさんいるすごい人なのですが、私に対してはいつもなんとなく鼻につくことを言います。
あまり深く関わらないようにしていたので、正直急にケーキをもらってびっくりでした。
その夜、家族で食事をしていると誰かが訪ねてきました。ドアの前に立っていたのは、例の「完璧ママ」。おすそわけだと言って、肉じゃがを差し出しました。
夫は、完璧ママを見るとパッと表情を明るくしました。さっきまで、私の作った料理にケチをつけていたのに、肉じゃがをもらって嬉しそうにしています。彼女が帰り、早速肉じゃがを食べ始めた夫は「プロみたいだ! おいしい」と大絶賛です。
しかし決して家が近所ではない彼女……。なぜ急に肉じゃがを持ってきたのか、不思議でなりません。
答えはママ友のSNSに…
その謎は、翌日の彼女の投稿を見てわかりました。彼女が投稿していた写真に写り込んでいたのは、夫のスマホケース。友人の店のかなりレアなステッカーを貼っているので、間違いないでしょう。
SNSの投稿をよく調べてみると、匂わせ投稿の連続! 夫が私のお弁当を持っていかなかった日は、彼女の家で手料理を食べていたようです。私の怒りがこみ上げてきました。
料理には料理でお返しすべきと思った私は、毎日のように彼女のSNS投稿をチェック。それと同じメニューを、夫に用意しました。
毎日昼と夜のメニューがかぶる夫は、もちろん文句を言いますが、私は相手にしません。「気が利かない」と言われますが、まったく同じように作っている私を、むしろすごいと思ってほしいくらいです。
これを何日も続けた結果、夫はメニューを聞くだけで顔が青ざめるようになりました。
不倫相手のごはんをあれほど絶賛していたのに…
ある夜、久しぶりに完璧ママがわが家を訪ねてきました。以前は大喜びだった夫ですが、料理に手をつけません。
それもそのはず。完璧ママのレシピは超高カロリーなものばかり。洋食はバターたっぷりのギトギト、和食は砂糖たっぷりのコッテリした甘じょっぱさ……最初はおいしいと思えていたかもしれませんが、さすがにしんどくなっていたようです。
夫は食欲と元気を失っていました。
「明日こそさっぱりしたものを作ってくれ」とリクエストされたので、そろそろ時が来たのかもしれません。「お昼ごはんに作ってもらうように頼めば? そしたら私も同じの作るよ」と言うと、やっと状況を理解したよう。真っ青な顔をして固まっていました。
不倫カップルのその後
私にバレていないと思い、ママ友の家で密会不倫をしていた夫。そして、私を牽制するためにSNSに匂わせ投稿をしたり、堂々と家を訪ねたりしていたママ友。お似合いではないでしょうか? 必死で謝る夫に、私は離婚を申し出ました。
その後、晴れて独身に戻った夫に、ママ友は猛アタックしたようですが、何より料理がこりごりだったようで、夫たちの関係も終わったようです。私への牽制をする必要もなくなり、夫にも振られ、いつしかママ友のSNS投稿もストップ。娘も幼稚園を卒園したので、どこで何をしているのかもわかりません。
そして私は、今回の一件で食の大切さを改めて実感。相変わらず娘の「おいしい」を励みに料理の腕を磨いています。
SNSで承認欲求に満たし、完璧な仮面を被っていたママ友でしたが、料理で胃袋をつかむことはできませんでした。
例え見た目が良くても、健康を意識しない食事では長続きしません。これはあらゆることにおいて言えること。見た目にとらわれず、本質を見られるようにしたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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