70歳で“愛知県の離島”に移住した男性。家も道も手作りで豊かな生活「定年後に何をするか決めておくことが大事」

「佐久島クレイ爺」こと柴田善次さん。佐久島クレイ爺という通称は、ご家族が勝手に命名したものだという。広大な土地に次は何を造るか思案中

70歳で“愛知県の離島”に移住した男性。家も道も手作りで豊かな生活「定年後に何をするか決めておくことが大事」

10月24日(木) 8:52

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移住、開業、趣味……各分野で老後を狂ったように充実して楽しむクレイジー老人たち。彼らの清々しいほどに振り切った生きざまには、人生100年時代を後悔なく生きるための秘訣が隠されている?

“還暦”を機に島暮らしを実現

「喧騒を離れて、いつかは島でのんびり暮らしたい……」

そんな一度は思い描きそうな夢物語を“還暦”を機に実現させたのが「佐久島クレイ爺」こと柴田善次さん、75歳。

「愛知県の離島に人口200人にも満たない『佐久島』っていうところがあるんだけど、そこの土地を買って、ログハウスを造ろうとしたんだよね。もう15年になるかな」

ほぼ一人でログハウスを完成させた

これまで2つの会社を起業し、仕事に人生を捧げてきたという柴田さん。若い頃から「海の近くに住む」ことに憧れ、社会でいう定年を迎えた70歳のタイミングで、一人で島での生活にシフトしていった。

「家から毎週末、車とフェリーで3時間かけて島に通っていたね。人が少ないっていうのもあるから敷地は荒れ放題で、まずは開墾するところからスタート。ヤフオクで落とした重機を乗り回したり、乗用草刈機を使ったりして、ほぼ一人で1年がかりでログハウスを完成させた。途中、200㎏ぐらいある木材を、ロープを使いながら屋根まで持ち上げる作業があって……さすがにあれは体がキツかったな(笑)」

「クレイ爺」が一人で手がけたものは…

建築業の経験がないにもかかわらず、ログハウスを一人で建てるのもなかなかの「クレイ爺」だが、そのほかにも一人で手がけたものが数多くある。

「まずは材料を運ぶための『道』を造ったね。あとは、雨でも焼けるように小屋付きで作ったピザ窯、島の海岸からユンボで石を持ってきて造った岩風呂、パッションフルーツやブラックベリーが収穫できる農園、モアイの彫刻なんかも造った。300坪ほどの土地を購入したのもあって、『何か作りたい』と思ったときにすぐ実践できるのがいいね」

75歳だが意欲は尽きない

今後は体力次第だが、孫と楽しめるツリーハウス造りやヤギやロバといった動物の飼育など意欲は尽きない。

「『もう定年後に何をするか決めておく』ということが大事。退職まで目いっぱい仕事を頑張って、その後から何か始めようとしたところで、気力も体力もついてこない。今のうちからプランをしっかり考えておくこと。やりたいことがある人生が一番幸せだと思うよ」

「クレイジー」と思われる生き方にこそ、我々の求める充足感があるのかもしれない。

佐久島クレイ爺の歩み

26歳 食品宅配業起業
42歳 産業給食業起業
60歳 佐久島の土地を購入
ヤフオクで「重機」購入
65歳 念願だったログハウス建設
70歳 長男に事業を全て譲る
75歳 島と静岡を行き来し満喫

【金言】思い立ったら自分で挑戦!

取材・文/週刊SPA!編集部
※10月22日発売の週刊SPA!特集「[クレイジー老後]のススメ」より



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