前回からの続き。私は5才のツバサと3才のタケルを育てながら夫とともにフルタイムで働いています。2024年の夏、品薄状態と言われていたお米はついに近隣の売り場から消えてしまいました。私たち家族はどうしても手に入れたくて遠くのお店をハシゴして、ようやく1袋のお米を見つけます。しかしタッチの差で、若い女性が手に取ってしまいました。すると一緒にいたツバサが「あー!取られちゃったぁ」とガッカリしたような大声を出したのでした。
その女性は「良かったら、これどうぞ」と言って、手に取ったお米を売り場に戻してくれたのです。こうして私は貴重なお米をなんとか手に入れることができました。喜びとともに夫とタケルのもとに戻ります。しかし上機嫌で夫にお米を見せると……。
夫は何やら怪訝そうな顔をしています。「ちゃんとお礼言った?譲ってもらっていたじゃん。前の人に……。あれじゃあ、ママたちが奪い取ったみたいに見えたよ?」私は思わずカチンときて強い口調で言い返します。「なにその言い方!」
やっとお米が買える……!そう思った矢先、タッチの差で女性がお米を手にしてしまったのです。しかし女性がお米を売り場に戻してくれたので、私はようやくお米を買うことができました。これで子どもたちにご飯を食べさせてあげられる、と心から安堵したのです。
けれど夫からは、私とツバサが女性に気を遣わせたあげくお米を「奪い取った」と言われてしまいました。私がどんな思いでお米を探していたか、夫には伝わっていなかったのでしょうか。せっかくの嬉しい気持ちが台無しになってしまったのでした。
【第3話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・渡辺多絵作画・なかやまねこ編集・井伊テレ子
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