第77回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞した『ANORA アノーラ』の日本公開が2025年2月28日(金)に決定。監督は、『タンジェリン』(15)、『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』(17)、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作『レッド・ロケット』(21)と、アメリカの性産業従事者やマイノリティについてユーモアを交えて描き、世界中で称賛を浴びてきたショーン・ベイカーが務める。
【写真を見る】ニューヨークでストリップダンサーとして働くアノーラ
本作でもニューヨークを舞台に、ロシア系アメリカ人ストリップダンサーである女性主人公のジェットコースターのようなロマンスと騒動を時にユーモラスに、そして真摯に描く。主演はクエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で短い出演時間ながら強烈な印象を残したマイキー・マディソン。本作では単に主人公のアノーラを演じるだけでなく、脚本の段階からすべてコミットしていたという。監督と主演、2人の絶対的な信頼の上で撮影された本作は、これまでのベイカー監督作のなかでも飛びぬけたエンターテインメント性と人間愛にあふれた作品になっている。
ベイカー監督の最高傑作と世界中から絶賛の声が上がっている本作。今年のカンヌ国際映画祭の審査員長だったグレタ・ガーウィグは本作を「真実味がありつつも予想だにしない作品。(エルンスト・)ルビッチやハワード・ホークスのようなクラシックな映画の構造を思い起こさせた」と評する。
なお、本作は10月18日よりアメリカで6館で先行公開され、週末(10月18~20日)の3日間で550,503ドル(約8257万円)を記録、1館あたりの平均興行収入は91,750ドル(約1376万円)に達した。この館アベレージは2024年これまで公開されたすべての作品の中で第1位、今後の拡大公開と賞レースに向けて最高のスタートを切った(10月22日Box Office Mojo調べ※1ドル=150円換算)。ぜひ劇場でこのセクシーでゴージャスでエネルギッシュな作品を味わってもらいたい。
文/山崎伸子
【関連記事】
・
池松壮亮がカンヌの地で思い巡らせた、日本映画の未来と自身のキャリア「映画を作ることが夢を諦める作業になる現状はつらい」
・
河合優実主演、山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』がカンヌで快挙達成!日本人監督6人目の国際映画批評家連盟賞を受賞
・
青木崇高、『化け猫あんずちゃん』撮影現場でTシャツ&猫耳姿の森山未來は「ふざけている?」と勘違い!
・
“意見を変えることができる美しさ“を内包する、カンヌ国際映画祭が示したもの。第77回カンヌ国際映画祭の総評
・
世界を不安にさせる新感覚スリラー『クラブゼロ』12月公開決定!本ビジュアルは“どこか不気味”