10月22日(火) 17:00
デジタルリマスター版で11月にリバイバル公開されるグレッグ・アラキ監督の代表的2作品、『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』と『ノーウェア デジタルリマスター版』。そのうち『ノーウェア…』の本編映像が公開された。
自身もゲイであることをオープンにし、一貫してティーンエイジャーを主人公にして同性愛者のリアルライフを描いてきたアラキ監督。異性愛を常識とする当時の概念や、それを支えてきた映画のあり方に対抗した90年代の〈ニュー・クィア・シネマ〉ムーブメントを牽引し、インディカルチャーの旗手として知られている。
『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』 (C)1995 UGC and the teen angst movie company今回上映されるのは、そんな彼がプロデューサーからの「異性愛映画を撮ったら制作予算をあげよう」という提案に対し、監督の反骨精神あふれるパンクなやり方で、「表向きは”異性愛映画”としつつも、“史上最もクィアな異性愛映画”を作りたかった」と語る『ドゥーム・ジェネレーション』と、「最も野心的な作品」と本人も語る、まるでジェットコースターのようなスピード感で若者たちの〈終末の日〉の一夜を描いた『ノーウェア』。約30年前の作品とは思えないほど、感性を刺激する魅力とパワーを放つ2作品だ。
『ノーウェア デジタルリマスター版』 (C)1997. all rights reserved. kill.今回映像が公開されたのは、 ヘザー・グラハムの濃厚なキスシーンを含む『ノーウェア デジタルリマスター版』の本編で、ジーザス&メリーチェインの「In the Black」をBGMに愛の饗宴が捉えられている。
若者たちの〈終末の日〉に、リリスとシャッドは「愛の饗宴を始めよう」とオープンカーで濃厚なキスを交わしていた。そこに現れたのは、今夜開かれるパーティの場所を探していた、本作のヒロイン・メルの弟ゼロと恋人のゾーイ。熱いキスを重ねるふたりにゼロはパーティー会場の場所を探ろうと「パーティーに行く?」と尋ねるが、キスの邪魔をされたシャッドは腹を立てて追い返す。ゼロたちが去った後、ふたりはさらに激しく愛し合うのだった。
複雑に絡み合う人間模様を描いた本作は、多彩なキャストが集結。登場するリリスを演じるのは、ガス・ヴァン・サント、デヴィッド・リンチら名匠監督の作品に出演し、女優として人気を得たヘザー・グラハム。また、『アメリカン・ビューティー』でケヴィン・スペイシーが演じる中年男性を翻弄する小悪魔な女子高生を体現し、その高い演技力で英国アカデミー賞助演女優賞ノミネートを果たしたミーナ・スヴァーリがゼロの恋人ゾーイを演じている。彼女のデビュー作でもある本作では、スヴァーリの初々しい姿が確認できる。
『ノーウェア デジタルリマスター版』本編映像
<作品情報>
『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』
11月8日(金) 公開
(C)1995 UGC and the teen angst movie company
『ノーウェア デジタルリマスター版』
11月15日(金) 公開
(C)1997. all rights reserved. kill.