10月22日(火) 13:00
国内シニアツアーは残り3試合とシーズンの終盤を迎えている。つまり、ここから“賞金王”争いも佳境に入っていく。
現在の賞金ランキングを見ると、先週の「ファンケルクラシック」で今季3勝目を挙げた宮本勝昌が4010万5305円でトップに立っている。以下、3064万3333円の2位に今季1勝の片山晋呉、2940万9832円の3位にチェ・ホソン(韓国)と続いていく。
宮本は昨年も賞金ランク1位の座についており、このままトップをキープすれば2年連続の王者に輝くこととなる。しかし、本人の視線は「賞金はもちろん頭の片隅ぐらいに置いときますけど、僕はアメリカのシニアツアーに行くことが今年の最大目標。それ目がけて、1戦1戦やるだけ」と、米国に向いている。
11月12~15日にバックホーン・スプリングス(米フロリダ州)で行われるQT第1次予選にもエントリーしており、それまでの国内ツアーでは「少しでも、課題をクリアにして行きたい」ということを強く意識する。もちろん優勝を狙いながらではあるが、米シニアの切符獲得のための準備期間ととらえている。同3位のホソンも「アメリカで戦う気持ちがある」と、10月14日時点のランク1位が出場できる米シニアQTの最終予選会に、その権利を使い出場する決意を固めた。
また、例年通りであれば、ここからメジャーの道も開く。これまでシーズン終了時点の賞金ランキング上位4位までの選手には翌年の「全米シニアオープン」、「全米プロシニア」、さらに上位2名には「全英シニアオープン」の出場権が与えられてきた。これを意識する選手も多い。
現在ランク4位につける兼本貴司は、昨年、同3位の資格で自身初の海外メジャー全米シニアオープンと全米プロシニアにも出場している。そして今年の開幕戦で優勝したときには「またアメリカに行きたい」という意思を示していた。その後、ゴルフの調子が思い通りいかず、今は「時の運だと思っている」とも話すが、「頭の片隅にはあります。一応狙おうと決めているので」と人事を尽くしていくつもりだ。
同7位で今年の「日本プロゴルフシニア」を制した増田伸洋も、「そこは目指してやっていきたい」と海外メジャー出場を目指す選手の一人。「今年、自分に足りないものがすごく浮き彫りになっていた。(上位の選手に)めちゃくちゃ歯が立たないというわけではないと思うから、もう一回…、そこは目指して頑張りたい」と残された試合のなかで上位に食い込んでいく。
次戦は優勝賞金700万円の「福岡シニアオープン」(福岡カンツリー倶楽部 和白コース、10月26~27日)となっている。現在の賞金ランク4位につける兼本との差は約470万円の差があることから、少しでも差を縮めたいところだ。
今季の賞金王、そして来季の海外シニアメジャーへの出場権を手にするのは一体、誰になるのか。50歳以上の男子プロゴルファーたちがラストスパートに入る。(文・高木彩音)