あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第128回】競馬の予想を見ていると、血統や傾向、などが事細かに記されているのを見かけます。
「3着以内33頭中30頭が前走でも3着以内を確保していた」など、こういうのってもちろん大事なのはわかるんですけど、だったらAIに任せてたら勝てるんじゃないのって思っちゃいます。
やはりギャンブルには直感的なひらめきも大事だと思うんです。データ分析と直感。どれくらいの比率がいいんでしょうか?(40代・男性・自由業)
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菊花賞は本命のアーバンシックが完勝。馬券も3連単193.9倍的中。欲を言えば最後上がり最速で差してきた9番人気のビザンチンドリームが馬券に絡めばさらに美味しかったのだけど、まあ素直に的中を喜びます。来週は天皇賞・秋。かなりの激アツメンバーで今からワクワクしております!
では質問へ。とても面白い質問ですね。
今やAIの進歩は凄まじく、どんどん優秀になってきています。将棋の世界だとプロ棋士さえもAIに勝てないレベルまで上がってきました。競馬の世界でもAIはだいぶ駆使されてきて、利用している方も少なからずいるのではないかと思います。
ではAIと人間の違いは何でしょう?
まずAIは
処理スピードが人間では到達できない域
まで達しています。将棋AIは数分で数億手を読みます。こんなのは人間には到底出来ません。
そして
AIは感情に流されることがありません。
僕も「稼ぐメンタル」という本を出していますが、そもそもAIにメンタルもクソもありません。強気になることも弱気になることもありません。
ギャンブルに
メンタルは1番大事な要素
だと思っていますが、それが無いのですから最強です。
では人間がAIに勝てるところはどこにあるのか?それはやはり
感じる
という部分だと思います。違和感を察知したり、不穏な空気を感じたり、いわゆる直感的なものはAIには現時点ではないと思われます。
そして、型破りとか、奇想天外とか、常識から外れた的な、意表を突いたようなことはAIには出来ないでしょう。これが功を奏することもあります。藤井聡太7冠もAIには指せないような一手を繰り出すことがありますが、これによって相手を迷わせたり混乱させたりし、勝利することがあります。
まあ将棋は完全に情報ゲームですから、AIが無類の強さを発揮しますが、競馬はいくらAIでも毎回的中は無理です。
そして、あくまでもAIを作っているのは人間ですから、どんなプログラミングをしているのかも重要で、AIによっても予想が異なるのはそういうことです。
今週のギャンブル格言【AIの進歩は凄まじい。でも人間にしか出来ないことは沢山ある。人間も進歩していこう】
では、本題のAIと直感をどれくらいの比率で予想した方がいいのか?とのことですが、まあ答えは出ないでしょうね。
僕はAIは使っていませんが、データ自体は活用しているので、全て直感で予想することはありません。そもそも直感的なものは少ないような気がします。全て理論付けされたものです。
データに関してはまず◯番人気が来てるとか、そういった人気のデータは取り入れていません。例えばここ10年で1番人気が7勝しているというデータがあったとして、今年も1番人気が来る可能性が高い!なんてことは全く思いません。
人気は馬には関係ありません。買う人達が作っているものです。
仮にそのデータが正しいと仮定した場合、3番人気の単勝に莫大な金額を投じて強引に1番人気にしたとして、来る確率が上がると思いますか?ということです。
仮に堅く収まることが多いレースや、よく荒れるレースがあったとしたら、なぜ堅く収まっているのか?なぜ荒れることが多いのか?それが大切になります。
そもそも毎年同じレースは行われますが、メンバーは違うのですから。例えば今回の菊花賞が堅く収まることが多いとして、3歳クラッシックなんて同じ馬が出ることはありませんから、菊花賞は堅いというのは偶然でしかありません。
なので、データにしても、いろいろありますが、どの
データをどのように活用するかが大事
になってきます。
◯番の馬が勝つ!みたいな直感はありませんが、理論を超えたところでこの馬が勝つと思うというのはあります。ただそれも、レースを見たり、調教を見たり、メンバー構成、枠の並び、もろもろ吟味した上のことなので、単純な直感ではないのかもしれません。
今後さらにAIが進化していくと思います。AIが人間を支配するなんて映画もありますが、僕ら人間も進化していかなければと思います。
戦争や残酷なニュース、醜い争い、ネットの誹謗中傷、人を陥れて金儲けをする週刊誌、科学は進化していますが、人間は退化しているように感じてしまいます。
AIには出せない優しさや温かさ。人間の素晴らしさを受け継いでいきましょう!AIとも良い関係でいられるように。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。
構成・撮影/キンマサタカ
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