2024年10月11日より全国公開された「ソウX」。謎の人物に拉致された人たちが、逃げ場のないシチュエーションで強制的に恐ろしい殺人ゲームに参加させられるという超人気シリーズの最新作。公開前に試写で観た感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。
【写真】トビン・ベル演じるジグソウ。1作目から20年が経つが、あまり変わらない見た目にも驚き
今回は「ソウ」(2004年)と「ソウ2」(2005年)の間の物語となっており、猟奇殺人鬼「ジグソウ」の最も個人的な知られざるゲームが描かれる。また、「ソウ」シリーズの生みの親であるジェームズ・ワンとリー・ワネルが製作総指揮を手掛け、ジグソウ役のトビン・ベルと、アマンダ役のショウニー・スミスが再登場するのもファンにはうれしいポイント。
これまでシリーズ全10作を観てきた者として、まず、度肝を抜かれた1作目のすぐあとの話というところに興奮した。「ソウ」を観たことがない人には今すぐサブスクで探して視聴してみてほしい。ラストは大袈裟じゃなく本当に驚愕します!
殺人鬼ジグソウは、末期がんの患者として1作目から登場するため、当然ながらシリーズの途中で死亡し、退場してしまう。個人的には殺人自体はもちろん肯定できないながらも「自分や他人の命を軽視する者に容赦しない」というジグソウの考え方や動機は嫌いじゃないため、途中からジグソウが出てこないことに物足りなさを感じていた。だから今回のジグソウの再登場に期待値は爆上がり。
本シリーズは“死のゲーム”が大きな見せ場となっていて、これまでゲームの強制参加者が生き残るためにノコギリで自分の足を切断したり、使用済みの“注射器の海”の中に埋められた鍵を探したり、腐った豚の死骸のミンチから溢れ出た大量の汁を浴びるなど、絶望を感じさせるような残酷描写が満載だった。また、シリーズが進むにつれて、大掛かりな恐ろしい仕掛けが多く登場するようになっていったのも本シリーズが人気を得た理由のひとつと言える。もちろん、仕掛け自体はシンプルで、最後にあっと驚く展開が待っていた1作目は紛れもなく傑作。
■末期がんの老人を騙した結果、とんでもない仕返しをされた詐欺集団!
【ストーリー】
末期がんで余命わずかと宣告されたジョン・クレイマー(トビン・ベル)は、藁にもすがる思いで、危険な実験医療処置を受けるためメキシコに向かう。しかし、この手術は弱い立場の人々から金を騙し取る詐欺であることが判明する。ジョンは復讐のため、自分を騙した詐欺師たちに死のゲームを仕掛けていく。
今回のジグソウのターゲットは自分をハメた詐欺集団のメンバー。彼女に仕掛けられたのは、右足の太ももを医療用の糸ノコで切断し、断面の骨に自分でチューブを刺して80グラムの骨髄を3分以内に採取しなければ首が糸ノコで切断されてしまうというゲーム。
はい、一発目からこれです!観ているだけなのに激痛が走るような恐怖を味わったので、体やメンタルの調子がすぐれない日は鑑賞しないほうがよいかも…。この女性のほかにも詐欺メンバーは次々と死のゲームに挑戦させられていくのでお楽しみに!
ちなみにジグソウとアマンダはおじいちゃんと孫ではありません(笑)。もともとアマンダは「ソウ」でゲームに参加させられ、生還したあとジグソウに弟子入りをした人物。驚いたのは、「ソウ」から20年も経っているのに2人の見た目があまり変わっていないこと。おかげで本作の展開もすんなりと受け入れることができた。恐怖展開の間に2人の師弟愛が挟み込まれ、ホラー映画なのにちょっとしたほっこり気分を味わえるのも本作の見どころのひとつ。
今回、珍しくジグソウが追い詰められる展開もあり、思わず彼を応援したくなってしまった…。なぜ彼を応援したかというと、ジグソウが詐欺の被害者だったから。それともうひとつ、今回ジグソウが純粋な心を持つ子どもに優しい一面を見せたのも大きい。
いくら相手がジグソウとはいえ、余命わずかな老人を騙してお金儲けをした詐欺集団はとんでもない目に遭っても同情の余地はないし、詐欺を働いた犯人が全員こうなればいいのに…と思ってしまった。
本作はホラー映画だけど、鑑賞後は謎の爽快感も感じられるので、ぜひ日々のストレスを解消したい人にもおすすめしたい。
文=奥村百恵
(C)2024 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.
【関連記事】
・
「光る君へ」一条天皇役で大注目の塩野瑛久、「受け入れてくれる人にしか言わない」引かれる可能性のある“アニメ作品の見方”
・
水原希子「失ったと思っていたものが実は違った」滝行で蘇った、距離を感じていた母との記憶
・
映画完成披露試写会ご招待!「六人の噓つきな大学生」映画公開記念Xキャンペーン!10月1日(火)スタート!
・
西島秀俊「三谷組は楽しいけれどハードルも高い」、三谷幸喜監督最新作で松坂桃李と歌って踊る
・
河合優実「現場に行くのが本当に幸せだった」、最新主演作「ナミビアの砂漠」が公開